生魚がおいしいわけのヒ・ミ・ツ!


世界広しといえども、日本人ほど生で魚を食べる人種はいないようです。そのため日本では魚のうまみを追求し、生で食べる調理法を昔から研究してきた民族です。

生で食べる方法としては、「刺身」「洗い」「たたき」「すし」があり、加熱調理しないものでは「酢のもの」「和え物」があります。

生魚のおいしさの理由は、口当たりと噛んだとき溶出してくるエキス成分の味によるのです。おいしさの最大の原因であるエキス成分について調べてみました。

エキス成分中のうまみ成分はグルタミン酸のようなアミノ酸や、鰹節の味で知られるイノシン酸その他さかな特有の味を生かすグリコーゲンや脂質、タンパク質が関係してまろやかさと濃厚な味を出しているのです。

魚は死ぬと死後硬直します。その後熟成して筋肉は柔らかくなり、タンパク質が酵素の働きによってアミノ酸やペプチド酸などのうまみ成分を生成します。魚は死後しばらくするとイノシン酸が増えておいしくなるのです。

テレビなどで見ていると、漁師さんが釣った魚をその場でさばいて刺身として食べるシーンを見ますが、刺身は筋肉が硬くてゴムのようで、本当のおいしさではないようです。

つまり熟成されていないため、アミノ酸やイノシン酸などうまみ成分があまり生成されていないということです。魚の洗いや、魚の生き造りは、筋肉の弾力のある歯触りを楽しむ料理です。
ヒラメやタイのような白身魚の刺身はあっさりしており、マグロやカツオなどの赤身魚の刺身はしつこく感じるのは、エキス成分中の非タンパク態窒素分や、イノシン酸など核酸関連物質の含まれる量によって違いが出ます。

赤身魚は非タンパク態窒素分や、カルノシンが多く、白身魚にはこれらが少ないのです。またマグロやカツオにはイノシン酸の含量が多く、ヒラメにはそれほど多くないのも、赤身魚と白身魚の味の差に関係しているのです。

魚料理店で水槽に泳ぐ鯛を見て、その場で生け造りとして料理してもらうと、新鮮さに感動するものですが、魚本来のうまみはまだ出ていないものを食べているということですね。

漁師さんも最初から魚のうまみを知っていたとは思われません。最初は獲れたての生きのいいものがおいしいとされていたのではないでしょうか。

しかし料理人が研究に研究を重ねて、本来の魚のうまみを追求して今に至ったのではないかと思います。魚本来のうまみと本物の味をこの舌に味あわせたいものですね。

 

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