さて下甑島・長浜集落の産地品を作るおはなしの続きです。
地産品をつくるにあたり、目についたものが小さなエビでした。
エビ底曳き漁で水揚げして選別したときにタカエビ以外のヒメアマエビ、タカエビの極小サイズは値が付かず殆んど廃棄をしていましたが、これを加工することに決めました。
地産品製造にあたり集落の人々で話し合った結果、エビ塩辛、エビ団子などエビの風味が生かせる5品に絞って試作品を作ることとなりました。
試作はしたものの製造過程や味付けに手間が掛かるため大量生産ができないものや、保存や流通の際に冷蔵が必要になるなど紆余曲折を乗り越え、最終的にエビふりかけとエビつけ揚げ(鹿児島で呼ばれる薩摩揚げ)の製造が決定しました。
甑島漁協女性部のメンバーも参加してエビふりかけ、エビつけ揚げづくりは進みます。
試作品が出来上がりましたが、なかなか求めている味、風味に仕上がりません。
そうした苦労の中で商品化は進んで行きました。
進まない道のりに熱意を失いかける人たちもいました。
商品化にこれほど苦労するなら、海岸清掃で日当を稼いだほうがましという人もいました。
紆余曲折のなかで長浜集落では産地協議会に支援を求め、委員の鹿児島大学にはふりかけ作りを学び、そして県水産普及指導員にはさつま揚げ屋さんを見学して練り方、揚げ方を学び、薩摩川内市からはパッケージの作り方を学んだのでした。
そして、この時期に薩摩川内市観光課がマスコミに紹介してテレビの取材も受けるなど、製造の評価が形に現れることによって構成員みんなの熱意が再び燃え上がりました。
エビふりかけは鹿児島大学水産学部で製造方法を習得し、原材料はシバエビ、キビナゴ煮汁、アオサノリ、ゴマ、塩の天然素材を利用して、甑名産のキビナゴの旨さと苦味を良さとした味付けに活かしました。
粉末状のエビにすることが一番の難点でしたが、フードプロセッサーのあとミルサーを使用して細かくすることで解決しました。
ふりかけは東京の地域おこし特産イベントに出展したところ、製造過程をマスコミで取り上げられて評判になり、製品のほとんどが島外の新幹線薩摩川内駅のお土産コーナーで販売しています。
そしてふりかけのネーミングはふりかけを振る動作と、甑島の振興を願って「フレッフレッこしき」と名付けられました。
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