さてさてサンマのお話も4話目となりました。
調べれば調べるほど、色々とサンマについて綴りたいことってあるものですねぇ。
前回に引き続き、ミステリアスなサンマのライフスタイルについて、もう少し掘り下げてゆきたいと思います。
サンマのメスはお腹に卵を一万粒ほど抱えており、秋になると一度に放卵するのではなく数回に分けて数千粒ずつ産卵すると見られていたのが通説でしたが、実は一度に放卵するのか、何回か分けて放卵するかということ不明です。
また、最近では一定の時期や季節に産卵するとは限らないという知見があります。
成熟した魚が産卵をすることは確認されていますが、秋の太平洋南下群のサンマが8月後半から11月にかけての産卵に対して、日本海から山口県沖に存在するサンマは5月から6月に産卵を行います。
日本沿岸のサンマは「秋以降冬に産卵する」説と「年に2回産卵が行われる」説がありますが、まだはっきりと解明されていません。
また、ここで一つの疑問点があります。
大量に産卵するにあたり、卵を産み付ける流れ藻も相当量必要になるはずですが、海にはサンマの産卵を補えるだけの流れ藻の量があるとは思えません。
ただ、流れ藻が少ない時期、流れ藻が全くない海中にてサンマの稚魚が生息しているのは確認されています。
サンマが生息する海域では、いつでもサンマの卵や稚魚は見ることができますが、どんな過程でふ化をして稚魚が育つかということについては未だナゾが多いのです。
サンマの卵は2ミリ前後の大きさで魚類の卵としては大型で、糸に複数の卵が繋がっています。
赤みを帯びた透明な色合いで、形状はメダカの卵に似ています。
メスは海面に浮遊している藻類や海藻などの「流れ藻」に卵をブドウ状に産み付け、オスは卵を放精して受精させます。
この産卵方法はハタハタに見られます。
受精した卵は10~25℃の範囲でふ化をします。
水温が高いほどふ化までの日数は短く、20℃の水温では概ね10日前後でふ化をします。
さてサンマの卵ってどんな味なのでしょう。
普段、食用に流通しているサンマのメスには卵はないので、日本ではサンマの卵を食べる習慣というものはありません。
食べたことがある人の感想として味は旨いと言えるものではなく、ねっとりとした食感で焼いた後も糸を引いているそうです。
次回はサンマのふ化メカニズムで分かっていることについて取り上げたいと思います。
まだまだ当分サンマ話が続きますがお付き合いくださいませ。
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