さかなの知識 マイワシ生息数を読む その4 黒潮で生まれ育った仔魚が変態して稚魚になり、冷たい親潮を北上するお話を前回綴りました。 夏を三陸沖合より遥か北の親潮海域で、餌を食べて成長した未成魚は秋の訪れとともに再び来た道を戻り、暖かい黒潮の影響下にある房総半島沖合で越冬をするため、房総半島外海で纏まった数のマイワシ若魚が水揚げされます。 再び春が訪れた頃、1歳に... サカマ
さかなの知識 種苗生産と魚の性格 九州の某県では1970年代半ばより、栽培漁業機関で人工生産したマダイ種苗を県内全域の海で放流しています。 放流事業を開始して暫くは、県内のマダイの全水揚げ量に対する放流魚の割合が5割以上という数字で、放流効果があったことが裏付けられました。 しかし2000年中盤以降放流魚の割合は徐々に減ってゆき、最近では放流魚が1割に... サカマ
さかなの知識 シーモンキーと種苗生産のお話 その3 えーと、思いの外執筆している自分だけが盛り上がり第3話に突入してしまいました。 さて前回の続き、2004年のアメリカのアルテミア不漁のお話をしましょうか。 結局、アメリカ産のアルテミアは全くと言っていいほど入手することができず、東南アジアの某国産のものを代替使用することにしました。 見積もりを取ったとき、普段のアメリカ... サカマ
さかなの知識 シーモンキーと種苗生産のお話 その2 さて、前回の続きです。 生まれたての仔魚が餌を食べだすようになる頃、魚類種苗生産機関では動物プランクトンの“シオミズツボワムシ”を最初に与えることを綴りました。 ワムシを食べ始めた仔魚はすくすくと育ち、それに伴い摂餌量も増えます。 1㎜成長することに摂餌量の増え方は倍数ではなく乗数の勢いで増えるため、そのうちにワムシだ... サカマ
さかなの知識 シーモンキーと種苗生産のお話 その1 先日、妻が突如「シーモンキー」を飼いたいと言い出しました。 遥か昔、おもちゃ屋さんで“宇宙からの生物”と称して販売していたアレです。 カルキ抜きした水に培養液やらインスタントラーメンの粉末スープのような粉末を入れて放っておくと、卵がふ化して小さな桃色の物体がワサワサと水槽の中で泳ぎ、さらに酵母などの餌を与えると1㎝程度... サカマ
さかなの知識 魚の方言 イギリスの海洋生物学者が魚は「会話」することができ、しかもそれぞれの生息地固有の方言があるという研究結果を発表しました。 イギリスの東部に位置するエクセター大学のスティーヴ・シンプソン教授は、15年間に渡り魚の会話を聞き続けました。 そして、魚が獲物を追っているときや繁殖シーズンなど、様々なシーンに於いてどのような会話... サカマ
さかなの知識 今日の魚 ワタリガニ 寒くなると美味しくなるのが「カニ」ですね。 カニといえば真っ先に想像するものといえば「ズワイガニ」、「毛ガニ」、「タラバガニ」の高級ガニ三兄弟ですが、これらのカニに引けを取らない美味しさを持つカニが日本近海には沢山存在するのです。 その中のひとつとして「ワタリガニ」が挙げられます。 北海道から九州、沖縄にかけて広く分布... サカマ
さかなの知識 今日の魚…ナマコ 魚類をはじめエビやカニ、ウニ、クラゲ、海藻など、我々の先祖は海中生物で食べられるものを沢山見つけました。 しかしグロテスクな見た目の「なまこ」を初めて食べた人は、どんな気持ちだったのでしょうか。 ナマコはヒトデやウニと同じ棘皮生物に分類されます。 漢字で「海鼠」と書きますが、この鼠(コ)とはミミズの様な形状の生物で且つ... サカマ
さかなの知識 さんまあれこれ その2 サンマは漢字で書くと「秋刀魚」であるのが一般的ですね。 実はこの当て字、中国語でも通用します。 刀の様な細く銀色に光る秋の魚という謂れですが、他にも様々な由来があり、類語もあるのです。 そもそも「サンマ」という名前の由来は、細長い体型を「狭真魚:サマナ」が転訛したことによります。 「狭」は幅が狭いという意味、「真」は接... サカマ
さかなの知識 さんまあれこれ その1 灼熱の季節が終わり、涼しい秋風が心地よい夕方。 夏の艶やかなマーマレードの様な色合いの追憶が、秋風が吹くことに薄れてゆくセンチメンタルな瞬間に…すいません、私はそんなロマンティックな心の持ち主ではございません。 細い路地に入って換気扇から漂うサンマを焼いている匂いに、腹の虫がグググと鳴りっぱなしなのです。 何といっても... サカマ