イギリスの海洋生物学者が魚は「会話」することができ、しかもそれぞれの生息地固有の方言があるという研究結果を発表しました。
イギリスの東部に位置するエクセター大学のスティーヴ・シンプソン教授は、15年間に渡り魚の会話を聞き続けました。
そして、魚が獲物を追っているときや繁殖シーズンなど、様々なシーンに於いてどのような会話をするのか研究をしていました。
そして、魚にはそれぞれの生息地固有の「方言」があることが分かりました。
地球温暖化に伴う海水温の上昇で、生活地を求めて魚が北上をしている状況で、元々生息している、異なる「方言」をもつ魚と出会ったときに何が起こるかを今後研究したいとしています。
2016年10月5日、リバプールで開催されている科学展示会「Into The Blue」にて、イギリスの海の音風景と魚の方言についてプレゼンテーションを行ないました。
サンゴ礁に生息するカクレクマノミには生息している場所によって方言があるというものです。
そしてシンプソン教授の研究チームは、野生のタラが話す言葉を繰り返し聞いたことについて発表しました。
タラは自己主張が極めて強い魚で浮き袋を使用して多様な音を出しますが、縄張りや、警告、相手を惹きつけるなど様々な意味合いがあります。
そんな会話の中から、タラの社会に不可欠な「うわさ話」を聞き出せるかもしれません。
今後の魚資源や生息といった真面目な話から、大切な金曜の夜の魚料理をどうするかという相談に至るまでいろんな話が飛び交うことでしょう。
研究チームはアメリカとヨーロッパの種の間に、言葉の明白な違いがあることを発見した模様です。
アメリカのタラが発する音は、ドシンドシンという低い短音ですが、ヨーロッパのタラの高い周波数の音が長く続きます。
これらのことにより地域方言は存在すると考えられました。
永らくその地で生活していたタラは、海水温の上昇により生活していた場所を捨てて北に移動していますが、北上した先で元々生活しているタラとの言葉の衝突があるのです。
シンプソン教授の計画として、イギリスの海にまつわる音の記録をした大規模なサウンドライブラリーを作ることがあります。
さしあたって、ニューキャッスルとクライド周辺の海域から取り組んでいます。
海水は空気より数百倍も密度が高いため、音は遥かに速く遠くまで伝わります。
海の音の記録を通じて、もっと様々な魚の方言が聞こえるに違いないことでしょう。
画像出典元:https://iki-toki.jp/2059/
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