さんまあれこれ その1


灼熱の季節が終わり、涼しい秋風が心地よい夕方。
夏の艶やかなマーマレードの様な色合いの追憶が、秋風が吹くことに薄れてゆくセンチメンタルな瞬間に…すいません、私はそんなロマンティックな心の持ち主ではございません。
細い路地に入って換気扇から漂うサンマを焼いている匂いに、腹の虫がグググと鳴りっぱなしなのです。
何といっても秋は「食欲」の季節ですからね。
古い時代より「さんま」は庶民の魚として親しまれており、秋の季節には欠かせない重要な食材です。
江戸時代より以前は生鮮品の保存技術が乏しかったため、もっぱら塩漬けにしたものや干物を七輪で焼いて食べていました。
一方、現在では獲れたての魚がそのままの鮮度で流通されているため、様々な料理方法で美味しく食べることができるのです。
例えばさんまの刺身、今でこそお馴染みの一品となりましたがメジャーになったのは1990年代初頭と割合最近なのです。
それまで、さんまの刺身は獲れた産地のみでしか食されていませんでした。
何故、比較的最近までさんまの刺身が有名ではなかったのか。
冷蔵技術の向上で新鮮なまま魚が消費者に送ることが可能になったことと、1980年代はバブル期で高級食材が持て囃されていたため、さんまなど大衆食材がスポットライトを浴びたのはバブル崩壊後の1990年代だったことに関連があると推測するのですが、果たして真相は如何に!?
いずれにせよ、脂が乗って濃厚な旨味を直接感じることができるのは、たまらぬ幸せです。
他にも生で食べたい料理法としては「なます」もいいですね。
さんまの身を三枚に卸して細かく切りこみ、キュウリや白髪ネギを添えて、酢味噌やお酢を和えるといい酒の肴になります。
ほかにも、身を細かく切りネギやみょうがを添えて叩いた「タタキ」も美味しいですよ。
生で食べても美味しいさんまですが、ひとつだけ気をつけることがあります。
「アニキサス」という寄生虫がありまして、これは青物の魚に寄りつきます。
半透明のミミズの様な形をしており、肉眼でも観察することができます。
この寄生虫、主に内臓付近に生息していますが鮮度が、落ちると身へ移動します。
アニキサスが付着しているままで食べると強烈な腹痛に襲われます。
対策としては熱に通すことが一番なのですが、生食でさんまを楽しみたいときは冷凍したものを解凍して使いましょう。
アニキサスは-20℃以下で死滅します。
まだまだ次回もさんまの話を続けます。お楽しみに!
画像出典元:http://chokko0613.blog.so-net.ne.jp/2013-09-14

 

さんまあれこれ その2

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