シーモンキーと種苗生産のお話 その1


先日、妻が突如「シーモンキー」を飼いたいと言い出しました。
遥か昔、おもちゃ屋さんで“宇宙からの生物”と称して販売していたアレです。
カルキ抜きした水に培養液やらインスタントラーメンの粉末スープのような粉末を入れて放っておくと、卵がふ化して小さな桃色の物体がワサワサと水槽の中で泳ぎ、さらに酵母などの餌を与えると1㎝程度のエビのお化けの様な姿に成長します。
多分、これを知っている方または飼ったことがある方は40代以上とお見受けしますが如何でしょうか。
シーモンキーなんて今売っているんかいなと思いつつネットで検索すると…おお、あるわ。
最近では飼育したことがある我々世代向けに、シーモンキーキットが販売されているんですね。
シーモンキーを飼育している人のホームページも見ていましたが、凝っている人はアクアリウム並みの環境で飼育しています。
シーモンキーとはホウネンエビモドキという小型の甲殻類で、エビやカニに近い節足動物です。
日本の水田に発生するホウネンエビに似ていますが、これは日本に於いて生息されていない種で、主にアメリカ、ヨーロッパなどの内陸塩水湖に生息しています。
“ブラインシュリンプ”や“アルテミア”という名前が正式なもので且つ一般的であり、この名前を聞くと養殖関係者はピンときます。
ふ化後、餌を食べ始めるようになった稚魚に対してアルテミアを給餌します。
つまり魚にとって離乳食の様なものであり、魚類生産機関ではこのシーモンキー、絶対に欠かせないものなのです。
ふ化したての魚類仔魚は自力で泳ぐことができず浮きやすい傾向にありますが、水より比重が重い“油球”というものを持っており水中で生息することができます。
この油球は卵黄で蓄えられた栄養が含まれており、餌を自立的に捕食することができない仔魚はこれが当面の間の栄養分になります。
ふ化後数日経過すると油球があった場所に腸管など消化器官が形成され、口が開き(口開け)ます。
この頃になると自立的に泳げるようになり、餌を食べ始めます。
魚類生産機関では口開けした仔魚に対して“シオミズツボワムシ”という100μm の小さな動物プランクトンを給餌します。
これはエビの養殖場で“輪虫”と呼ばれ、あっという間に養殖池を増殖するもので生産環境の悪化を招くとして嫌われていた存在でしたが、1960年代になり輪虫が魚類の初期餌料に最も適したサイズで消化もいいことが解明されました。
さて、続きは次回に!
画像出典元:https://www.gsj.jp/data/newsletter/html/nl5/04.html

 

シーモンキーと種苗生産のお話 その2

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