漁港何でもランキング(その3)…日本最西端漁港・沖縄与那国島 久部良漁港


さて、今回は日本最西端の漁港のご紹介です。
前回ご紹介した日本最南端漁港がある波照間島から100キロ弱西に進むと、日本最西端の地・与那国島に辿ります。
人口1,700人、海岸線長が27.5kmの小さな島で、民間人が自由に出入りできる日本領土の最西端です。
気候は日本では珍しい熱帯雨林気候区分で、真冬でも20℃以上の温暖な日があります。
冬場はシュモクザメが群れで島周辺の海に訪れ、海底に遺跡があるためダイビングの人気スポットで有名です。

鮮やかなマリンブルーの東シナ海に囲まれた与那国島は国境の島で、西へ110km先に台湾があります。
県都・沖縄本島那覇市よりも台湾の方が遥かに近いのです。
ちなみに那覇市へは520kmもあり、東京から大阪までの距離に匹敵します。
晴れた日は台湾東海岸の都市、宜蘭市が見えます。

余談ですが、島の内陸南部に日本防空識別圏と台湾防空識別圏の境目が設定されており、与那国島空港に発着する飛行機は台湾空軍にフライトプランを提出していたとのことです。
現在は識別圏境界線が島の南部沖に設定されています。

この島には与那国漁協が漁業活動を運営しており、33名の漁師が所属しています。
島の南西部にある久部良漁港より、漁師たちが南の島の海の幸を捕りに出掛けます。
島の沖に「パヤオ」と呼ばれる浮き漁礁を用いた漁が行われます。
パヤオとは水深1,000m以上の沖合にブイをアンカーで固定した漁礁です。
島の南から東の海域にかけて7か所のパヤオが設置され、うち3つが与那国漁協設置分、残りが沖縄県設置分となっています。

水中のアンカーへ向かって伸びているロープに生えている藻を小魚が食べにやって来て、更にその小魚を目当てにカジキ、キハダマグロ、メバチマグロ、カンナギ(ハタ)、シイラ、カツオなどの大型魚がやって来ます。
漁師たちはそれらの大型魚をトローリングで漁獲します。
カジキは比較的大型の個体が現れ、200kg超えのものが水揚げされています。
水揚げされた魚は島内消費以外に、日本各地へ流通しています。

この漁場は遊漁船のレジャー客にも開放しており、全国から沢山の太公望が大物を狙いにやって来ます。
そして、毎年7月には3日間に渡り、カジキの国際釣り大会があります。
過去には370kgのカジキを釣り上げた記録があります。
そして漁協ではカジキの加工品に力を入れており、ジャーキーや干物、刺身用のブロック肉やハラゴなど鮮魚を全国に向けて通信販売をして、ホームページやSNSで漁業、釣り、観光に関する様々な情報を発信しています。

国境近くの小さな島は、活発な漁業産業と観光のPRで大変元気なのです。

画像出典元:http://blog.goo.ne.jp/gucchi0825/e/

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