さかなの知識 マイワシ生息数を読む その4 黒潮で生まれ育った仔魚が変態して稚魚になり、冷たい親潮を北上するお話を前回綴りました。 夏を三陸沖合より遥か北の親潮海域で、餌を食べて成長した未成魚は秋の訪れとともに再び来た道を戻り、暖かい黒潮の影響下にある房総半島沖合で越冬をするため、房総半島外海で纏まった数のマイワシ若魚が水揚げされます。 再び春が訪れた頃、1歳に... サカマ
さかなの知識 種苗生産と魚の性格 九州の某県では1970年代半ばより、栽培漁業機関で人工生産したマダイ種苗を県内全域の海で放流しています。 放流事業を開始して暫くは、県内のマダイの全水揚げ量に対する放流魚の割合が5割以上という数字で、放流効果があったことが裏付けられました。 しかし2000年中盤以降放流魚の割合は徐々に減ってゆき、最近では放流魚が1割に... サカマ
さかなの旬 今日の魚 クロメヌケ 冬になると、連日北海道の港よりクロメヌケの水揚げの便りが届きます。 真っ黒なこの魚は、カサゴ目フサカサゴ科に属しているメバルの仲間で、北海道では“アオゾイ”と呼ばれています。 日本沿岸では岩手県より北の太平洋、オホーツク海、日本海北部方面の冷たい海の200メートル程度の水深域に生息しています。 特にオホーツク海周辺での... サカマ
さかなの旬 今日の魚 メジナ 全長60㎝程度で、青緑色を帯びた灰色の魚です。 食用魚としては若干地味な存在ですが、浅瀬やタイドプールなどに生息しているため、磯釣りファンには人気がある魚のひとつです。 北海道南部から台湾にかけて幅広い海域に生息していますが、沖縄本島など琉球列島では滅多に水揚げがありません。 メジナの旬は秋から冬にかけて、この時期にな... サカマ
さかなの旬 今日の魚 キジハタ 北陸では「ナメラ」の名前で呼ばれているキジハタです。 魚体に雉のような朱色の斑点が無数についていることが名前の由来です。 関西では「あこう」と呼ばれており、特に夏に重宝されて「冬のふぐ、夏のあこう」と言われるほどです。 津軽海峡から九州南岸の太平洋と広い範囲に生息しておりますが、水揚量はとても少なく、市中の鮮魚店やスー... サカマ
さかなの旬 マイワシ生息数を読む その3 ふ化した仔魚の生存率が少しでも高くするため、餌となる動物プランクトンが潤沢にある温暖な海域で産卵をすることはマイワシのDNAに刻み込まれており、日本沿岸では黒潮域が主たるマイワシの産卵場となります。 黒潮域は西から東に向けて毎時3~5キロメートルの潮の流れがあり、まだ十分に泳ぐことが出来ない仔魚は黒潮に流されながら一日... サカマ
さかなの旬 マイワシ生息数を読む その2 こんにちは。 全国お魚ファンの皆様、如何お過ごしでしょうか。 冷たい北風を顔に受けるにつけ、冬の気配が日に日に強まってきていることを感じます。 街に出ると、早くも街路樹がクリスマスイルミネーションで飾り付けされており、2016年もそろそろ終わろうとしています。 今週、真冬のコートを出しました。 つい一か月前は日中を半袖... サカマ
さかなの旬 マイワシ生息数を読む その1 古来より日本人の食卓で、馴染みが深い魚介類のひとつにマイワシが挙げられます。 子供のときは小骨が多いイワシの料理は好きではありませんでしたが、ようやく大人になった頃、マイワシ(とくに大羽サイズ)の脂がとろける旨さが病みつきになってしまっています。 さてそんなマイワシですが、日本での水揚げ量は1988年(昭和63年)の4... サカマ
さかなの旬 今日の魚 タチウオ 鮮やかな銀色がとても美しいこの魚は、鋭い顎が刀の様に見えます。 名前の「太刀」のとおり、歯が鋭いため軽く触れただけでも怪我をする恐れがありますので、捌くときは十分に気を付けて下さい。 鋭い顔のタチウオはカマスと並んで「海のギャング」と呼ばれており、気性が非常に激しく、常に小魚を追い回して捕食しています。 タチウオの鮮や... サカマ
さかなの知識 シーモンキーと種苗生産のお話 その3 えーと、思いの外執筆している自分だけが盛り上がり第3話に突入してしまいました。 さて前回の続き、2004年のアメリカのアルテミア不漁のお話をしましょうか。 結局、アメリカ産のアルテミアは全くと言っていいほど入手することができず、東南アジアの某国産のものを代替使用することにしました。 見積もりを取ったとき、普段のアメリカ... サカマ