さかなの旬 サケ定置網に入りこんだ無数のブリ 今年も北海道方面に台風が接近したため、水産業では大きな被害が出ています。 台風の強風、大浪により秋サケ定置網が破れ、しかも付近には沢山の流木があって漁の邪魔になっています。 そして海水温が上昇したことにより、秋サケ定置網漁では非常に厄介な問題が起きているのです。 北海道の胆振地方沿岸では9月に入り秋サケの定置網漁が本格... サカマ
さかなの旬 サバ小噺 その3 さて前回はサバの生きぐされから死んだ魚の死後硬直についてお話しました。 死後硬直した魚は身の中にあるATP(アデノジン三リン酸)の分解過程によって起こる現象で、ATPが完全に分解されたときが最も死後硬直が進んでいることをお浚いしましょう。 魚の身はATPの分解と同時にIMP(イノシン酸)が生成されてゆきます。 イノシン... サカマ
さかなの旬 サバ小噺 その2 サバには“ゴマサバ”と“マサバ”があってそれぞれ美味しい旬の時期があるということをお話しました。 夏はゴマサバ、秋はマサバを食べるのが美味しいサバライフ(?)を送る秘訣です。 さて“サバを読む”という言葉がありますね。 意味合い的には数をごまかすなどいい意味ではないのですが、何故数をごまかすのかというと… 昔の魚屋さん... サカマ
さかなの旬 サバ小噺 その1 暑い夏が過ぎて朝晩に肌寒い風を感じる頃になりますと、魚屋には丸々と肥え太った秋サバが所狭しとぎっしり並んでいます。 煮たり、焼いたりした秋サバを口の中に入れたとき、トロリとした脂が口中いっぱいに広がって、クロマグロやヒラメなどの高級魚とはまた趣が違う旨さが楽しめます。 昔より「秋サバは嫁に食わすな」という言葉があります... サカマ
さかなの旬 サンマあれこれリターンズ その5 前回までは海外漁船がどれだけ日本のサンマ漁に影響があるのか、お話をしました。 今回は日本近海の海洋変化について見てゆきましょう。 さて、サンマが減った日本沿岸付近ではサンマの代わりにサバやイワシの水揚げ量が増えており、サンマ漁の漁師たちは棒受け網の中に入っているサンマ以外の魚種の魚の増加に頭を抱えています。 水産総合研... サカマ
さかなの旬 サンマあれこれリターンズ その4 さて、まだまだサンマを巡るお話を続けてゆきたいと思います。 台湾をはじめ、中国、韓国、ロシアなどによる“外国漁船”の存在が、日本のサンマ漁水揚げ激減とどう関連するかということについてですが、実際のところその数値を出すのは難しいとされています。 台湾漁船が遠洋航海に特化した1,000トンクラスの大型船が主流で長期に渡り操... サカマ
さかなの旬 サンマあれこれリターンズ その3 前回ではサンマの漁獲量減少が回遊コースに関連していることをお話ししました。 今回はもう少し突っ込んでゆきたいと思います。 2015年、北海道沖合のサンマ回遊コースに変化が生じたことを突き止めました。 サンマの漁場は暖かい黒潮と冷たい親潮がぶつかる地点で、冷たい海水と暖かい海水が交わる境界です。 ここは植物性プランクトン... サカマ
さかなの旬 サンマあれこれリターンズ その2 前回はサンマの資源量が年々減って来ていることを綴りましたが、今回はより具体的に説明してゆきたいと思います。 元来、サンマは年ごとの漁獲量変動が大きいもので常に豊漁と不漁を繰り返していました。 1981年(昭和56年)は不漁の年で15万トンとちょっとの水揚げしかありませんでしたが、翌年以降徐々に年間水揚げ量が増えてゆき、... サカマ
さかなの旬 サンマあれこれリターンズ その1 昨年のちょうど今頃でしょうか、10話に渡ってさんまについてあれこれお話しをしました。 そのとき「今年のサンマ漁獲量は史上最低になるかもしれない」という可能性について幾度か綴りましたが、今年のサンマ漁はその昨年を下回りそうな見通しとなっています。 7月、北海道釧路市では今年のサンマ漁シーズンに先駆けて一足早く、サンマの初... サカマ
さかなの旬 トビウオと夏 その3 前回はトビウオが空を飛ぶ仕組みについてお話をしました。 大きな胸ビレをグライダーのように飛翔する姿はとても優雅に見えますが、実は外敵から逃げている最中でのっぴきならない状況なのです。 今回はトビウオの漁業的活用について綴ってゆきたいと思います。 主にトビウオは刺網、浮刺網、定置網、すくい漁で漁獲します。 トビウオ漁でポ... サカマ