さかなの旬 正月と種苗生産者の願い 正月の空を見上げていると、十数年前に勤めていた種苗生産機関のことを思い出します。 そこではマダイ、ヒラメをはじめトコブシなど種苗を生育しており、ある程度の大きさまで成長させると県内の沿岸に放流して県内の漁業資源維持に貢献していました。 我が職場は屋外水槽にトコブシと、採卵に供するマダイの親魚を飼育、そして魚類の種苗生産... サカマ
さかなの旬 蒲鉾のおはなし その3 前回ではかまぼこを作るために、使える魚は限定されるところまでおはなししました。 さて、蒲鉾を作るために使われる魚はどんなものがあるのでしょうか。 蒲鉾を作るために適した魚はタラ類、サメ肉、イトヨリ、ベラなどの白身肉となります。 なかでもオキギス、グチ、エソ、ムツ、ハモ、ヒラメなどの肉は高級品の製造に使われているのです。... サカマ
さかなの旬 蒲鉾のおはなし その2 さて前回は蒲鉾の歴史についてお話ししました。 昔の蒲鉾は竹の枝に魚のすり身を擦りつけて焼き上げたもので、今の竹輪のような形状をしていたのでした。 そして現在のような板付状の蒲鉾が作られるようになったのは室町時代になってからといわれています。 1752年(宝暦2年)に記された「摂戦実録大全巻一」によると、豊臣秀吉の三男で... サカマ
さかなの旬 蒲鉾のおはなし その1 おせち料理で欠かせないもののひとつに“蒲鉾”がありますね。 重箱の中にある紅白の蒲鉾はお正月の目出度さを引き立たせますが、これは蒲鉾の形を「日の出」に見立てて縁起がいいことから祝膳に使われているのです。 白色は「清らかな心」、紅色は「邪気を払う」ことを意味しています。 このような目出度い行事に蒲鉾が使われるようになった... サカマ
さかなの旬 有明湾のアゲマキガイ 有明海沿岸の干潟では佐賀県有明水産振興センターが生産した“アゲマキガイ”の種苗が順調に繁殖しています。 そして佐賀県有明水産振興センターでは海に放流したアゲマキガイの生育状況を調査することを継続しており、調査の結果次第では今後25年ぶりにアゲマキガイの漁が再開されるのかもしれません。 アゲマキガイは九州から中国、朝鮮半... サカマ
さかなの旬 牡蠣の旨味 その3 前回に引き続き、牡蠣のお話が続きます。 牡蠣の身の肉に含まれているグリコーゲンの量を毎月測ってみると、10月頃から目立って増え始め、1月から3月に掛けては生牡蠣では体の6%、干した牡蠣では30%以上にも達することがあります。 このように牡蠣の体内に多量のグリコーゲンが蓄積される現象は、他の貝類や生物には見られることがあ... サカマ
さかなの旬 牡蠣の旨味 その2 さて今回は牡蠣のお話が続きます。 ところで俗に「Rの字が付かない月には牡蠣を食べるな」という言葉がありますね。 5月のMay、6月のJune、7月のJuly、8月のAugust…夏場の暑い時期に“マガキ”を食べるとあたることもあるし、そして美味しくないと言われていました。 昔から言われている言葉ですが、ちゃんと科学的な... サカマ
さかなの旬 牡蠣の旨味 その1 秋が深まって木枯らしが冷たくなるにつれて、旨くなる魚介類のひとつに“牡蠣”があります。 いつも行きつけのパスタ屋にはこの時期になるとメニューに「大船渡産の牡蠣が入荷しました」という文字が躍っています。 バターでさっと炒めたパスタの上に大粒な牡蠣がこれでもかと言わんばかりに載っており、とても濃厚で磯の味が効いて後味が少し... サカマ
さかなの旬 ボラとからすみ その4 さてボラといえば、旨いものに“カラスミ”がありますね。 名前の由来は中国伝来の墨の「唐墨」に形が似ているためだそうです。 日本では長崎産のカラスミが古くから有名で、長崎野母のカラスミ、越前の雲丹、三河のこのわたが「天下の三珍」と称されていたものです。 長崎には普通のボラより大きい60センチサイズの“カラスミボラ”がいる... サカマ
さかなの旬 ボラとからすみ その3 まだまだボラのお話、続きます。 ボラは刺し網、定置網など、様々な漁法でほぼ通年漁獲されています。 面白い漁獲方法で石川県七尾湾沿岸の「ボラ待ちやぐら」というものがあります。 やぐらの上で終日ボラの集団がやって来るのを見張り、やって来たらやぐらの下の網を手繰る原始的な漁法です。 ボラを食べることは江戸時代からの歴史があり... サカマ