海苔を炙ったとき、たちまち表面の色は鮮やかな緑色に変わりますね。 これは海苔に含まれる色素が変化するためなのです。 海苔には“フィコエリスリン”という紅紫色の色素と“フィコシアン”という青い色素、そして葉緑素が含まれているのですが、このうちフィコエリスリンは熱せられると青いフィコシアンに変化します。 そのため海苔を炙る...
さかなの知識
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前回は乾燥海苔の作り方について綴ったところでお話が終ってしまいました。 簾の上で乾かしたら、更に電気熱や炭火を使ってよく乾かすと“乾海苔”が出来上がります。 盆から正月にかけて獲れる海苔はアオサやアオノリなど混ざりものが少ないので、この時期に獲れた海苔は上等品なのです。 そして、この時期の海苔は粗く刻んで、薄く漉きあげ...
さて前回の答え合わせからゆきましょうか。 一般的に海藻とはアオサやアオノリのような緑色の“緑藻類”、昆布やワカメなど茶色の“褐藻類”、テングサやフノリのような赤い色の“紅藻類”に分類されています。 浅草海苔などアマノリ類は黒色ですが、炙ると緑色に変わります。 緑に変色するので“緑藻類”と思われるかもしれませんが、実は“...
さて、江戸時代の東京湾・品川沖は海苔の産地で都のすぐそばということもあり、ここで獲って加工した海苔は“江戸前海苔”とよばれ非常に有名なものでした。 せんべいに海苔を巻いた“品川巻き”は品川宿の名産品だったのです。 そして江戸の海苔で絶対に忘れてはいけないのが「浅草海苔」ですね。 こちらも名高い“江戸前海苔”です。 徳川...
旅館で食べる朝ごはんって、何故にあんなに美味しいのでしょうね。 大抵、御飯にお味噌汁、塩鮭や白魚など焼き魚と玉子焼き、そして付け合わせに白菜の漬物、そして忘れてはいけないのは海苔ですね。 日本の食事で欠かしてはならない食材のうち、海苔はこれに当てはまりますね。 現在の国内で流通している海苔の主流は“板海苔”ですが、これ...
前回では魚の“集合フェロモン”についてお話しをしました。 同じ属種の魚が“仲間”と反応する集合フェロモンは、腹ビレの後ろにある肛門の突起から分泌されており、集団で生活することで敵に捕食される機会を減らすことができるのです。 ちなみに集合フェロモンはゴキブリ(形を思い出すだけでも…私が最も苦手とする動物です)の糞にも含ま...
前回ではアメリカのブルヘッドナマズを用いた“集合フェロモン”についてお話をしました。 単体で縄張りを張って生活しているナマズでも“集合フェロモン”を嗅ぐと、たちまち集団生活に適応するということでした。 さて、刺されると痛いゴンスイが集団で玉のように集う“ゴンスイ玉”を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。 ゴンス...
さて魚のフェロモンは性行動だけに関与している訳ではありません。 北米の淡水域に生息するブルヘッドナマズは集団で生活する個体と、単独で縄張りを張って生活する個体があります。 縄張りを持つ個体が見知らぬ個体を見つけたとき、激しい争いが始まり、ときに死ぬまで戦いを続けることがあります。 その一方で、数百尾単位で群れを成して生...
前回はイソギンポを使った実験で、潮だまりに生息する種と岩の裂け目に生息する種では。同じ生息域で生活するもの同士求愛行動を行うことがわかりました。 そのメカニズムを究明するカギは視覚ではなく“嗅覚”にあったのです。 同じ生息環境で生活するメスが入っていた水槽の海水の中にオスを放り込んだとき、そのオスはたちまち興奮してしま...
魚の生殖行動ですが、多数のオスとメスが群れを成して岸へ押し寄せて放卵と放精を同時に行うものもあれば、オスとメスがつがいになって産卵するものもあります。 オスとメスがつがいになるときは性フェロモンの介在があるのです。 アメリカではイソギンポによる性フェロモンの実証実験をした結果、面白いことが判ったのです。 カリフォルニア...