水圧のおはなし その4

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さて前回はハダカイワシのおはなしをしました。
昼間は比較的深い水中で寝て過ごし、夕方になると一斉に海面へ浮上して夜間はずっと餌を食べ続けている魚です。
一日のうちに幾度も水圧の急激な変化を受けているのですが、さて日周期をもって海中を昇降回遊するハダカイワシの仲間には色々なタイプが存在します。
ススキハダカやドングリハダカの仲間たちはガスが充満した浮袋を備えており、そして体の脂質が比較的少ないですが、トンガリハダカの場合は委縮した浮袋の周りに脂肪取り巻いており、体に大量の脂質が含まれているものもあります。

浮袋がない魚の体は重く、海水より比重が重いためうっかりしていると海底に沈んでしまいます。
一方で浮袋がある魚は中に含まれているガスのおかげで比重が海水に等しく、遊泳生活に向いています。
しかし、海中を昇降回遊する魚にとっては浮上するときに減圧されてしまい、浮袋が破裂する、または沈降するときに加圧によって潰されてしまう恐れがあり、却って邪魔になります。
また、浮袋の容積を調整するにも浮上するときは異常な膨張を避けるためガスを抜き、逆に沈降するときは圧縮に対抗してガスを加えなければならないのです。

この点において、浮袋のないハダカイワシの仲間は昇降回遊に於いて便利な造りとなっています。
幼稚魚のときは浮袋が備わっていますが、成長するにつれて退化してゆきます。
浮袋の代わりに、浮袋周辺に取り巻いている脂肪組織が発達して、筋肉中には多量の“蝋”が含まれます。
この蝋は中性脂肪よりも比重が小さいので、浮上のときに便利なのです。

そもそもハダカイワシがそこまでして水中の上下を何度も移動するのは理由があって、餌となるプランクトンが水中の昇降回遊をするので、それにあわして行動を取れば食物に不自由しないのです。
薄暗い深海では太陽の光が届かないので光合成が行われないので、当然のことながら深さが増すにつれて微生物の量は減ってゆきます。
そんな深いところでじっとしているだけでは、餌にありつける機会は減ってゆくでしょう。
そのため餌を追ってゆくうちに昇降回遊をすることを覚えて行ったのかもしれませんね。
画像出典元:https://blogs.yahoo.co.jp/arapro7/50630904.html

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この記事の著者

サカマ

旬の魚、魚の調理方法から、漁港、産地のレポート、記事など、魚に関わる様々な情報を発信していきます。

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