海苔のおはなし その3

さて前回の答え合わせからゆきましょうか。
一般的に海藻とはアオサやアオノリのような緑色の“緑藻類”、昆布やワカメなど茶色の“褐藻類”、テングサやフノリのような赤い色の“紅藻類”に分類されています。

浅草海苔などアマノリ類は黒色ですが、炙ると緑色に変わります。
緑に変色するので“緑藻類”と思われるかもしれませんが、実は“紅藻類”に属しており、海に生えているときは赤みを帯びた極めて濃い茶色をしているのです。
そしてアマノリは外海でも育ちますが、基本的には波が静かな湾内の杭や石などに好んで付着する性質があります。
海苔は天然ものだけでは需要に追いつくことが出来ないので、江戸時代に養殖技術が生まれ、今ではもっぱら養殖が主流です。

海苔を養殖するには、かつては“海苔ひび”という竹や木の小枝を水の中に建て、これに海苔の胞子を付着させて育てていましたが、今ではシュロ縄で作った網を水中に張り、網に通した牡蠣などの貝殻に海苔の胞子を付着させます。
この方法は昔と比べると海苔が多く獲れますが、密度を高くしすぎると病気に対して抵抗が弱い海苔になってしまうことがあります。

この網に海苔が付着したら芽が出ます。
東京湾では10月20日過ぎ、この芽を「秋芽」と呼び、これが育って新海苔となります。
木更津上空から羽田空港の滑走路に向かうコースを飛ぶ飛行機に乗っていると、千葉沖付近で海苔の筏が沢山見えます。
秋芽以外にも12月末に出た芽を「冬至芽」、1月に出る芽を「寒芽(かんめ)」といいます。
そして春になって芽を出すこともありますが、これは「馬鹿芽」と呼ばれていたそうです…今でも呼ばれているかどうかは知りませんが。
海苔の芽は次第に育ち、およそ1か月で摘み取れる大きさになります。
沖合の筏から摘んできた海苔は乾燥海苔にして出荷します。

乾燥海苔を作るには海苔を細かく包丁で刻んで、水と混ぜて枠を張った簾の上に流します。
すると水は簾の下に落ちて、海苔だけが張り付くので、これを干し場で乾かします。
11月の小春日和、ずらりと並べられた簾に耳を傾けると、カサコソカサコソと小さな音を立てながら乾いた海苔が風に吹かれています。

「海苔を乾かす家の藁垣新しく」 蓼茨
画像出典元:http://bimitankyu.blog80.fc2.com/blog-entry-940.html

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