魚の匂い その3

前回はサメの肉は“アンモニア臭い”という話ばかりでしたので、今回は魚のよい香りについてお話したいと思います。
話しなおしならぬ“鼻なおし”ですね。

冬になり、日本酒を煽りつつスルメを炙る幸せは、今この暑い夏に思い出してもヨダレものでして、はやくそんなシチュエーションを迎えたいと思っております。
スルメを火に炙ったときに漂う、あの“美味しい匂い”はスルメイカに含まれている“タウリン”によるものなのです。

タウリンはイカやタコなどに多く含まれているアミノ酸の一種ですが、このタウリンに大豆や牛乳などタンパク質の主成分である“カゼイン”を混ぜて火を通すと、スルメを焼くときに同じような匂いがするといいます。
ということはタウリンが配合されている栄養ドリンクに牛乳を混ぜて火を通すと、スルメの匂いになるんでしょうか…いつか試しにやってみたいなぁ。

そして魚のお吸い物なのですが、タイやヒラメなど所謂“高級魚”の吸い物には独特の香りが楽しめます。
これらの高級魚には身にビタミンB1が豊富に含まれているのですが、このビタミンBIが吸い物のだしとなる昆布などの成分のグルタミン酸ソーダを混ぜて温めたときに出る匂いなのです。

今度はウナギ。
ウナギの蒲焼きの甘く香ばしいあの匂い(思い出すだけでヨダレが…)はタレをつけて焼かないと出てきません。
ウナギは蒲焼き以外に白焼きという、腹を割いて炙ったあとによく蒸して、また更にサッと軽く焼く食べ方があります。
食材にタレなど調味料や油をなにも振らずに直に焼くことで食材の脂を落とし、旨みを封じ込めるので、食材そのものの風味が楽しめます。
わさび醤油で白焼きを食べるとあっさりとした味わいが楽しめますが、蒲焼のような“例の匂い”は出てきません。

さて、蒲焼きのたれは醤油、砂糖、酒とみりん、出汁となるよく焼いた中骨や頭など様々な味が混ざって、独特な味わいになります。
そして何年もわたり継ぎ足してタレは熟成されてゆき、所謂“秘伝のたれ”といった濃厚な味わいになってゆくのです。
それにウナギの皮に含まれている、魚の匂いの本態である“ビペリジン”が一緒に熱せれられると、あの強烈にいい匂いになるのです。

秋が深まった夕方、細い路地裏に入りこんだときに漂ってくる焼き魚の匂い、とてもセンチメンタルになりますなぁ。
今年の秋も沢山の魚を食べようと思うのです。

画像出典元:https://0822kiseki.com/blog-entry-224.html

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魚の匂い その2

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