海鮮丼などでいただくウニや、寿司屋で握ってもらうウニなどは旨さだけでなく、何とも贅沢な味わいがあるものですね。
日本で食用に水揚げされる生ウニの種類は、「バフンウニ」「ムラサキウニ」「エゾバフンウニ」「キタムラサキウニ」などが中心になっています。
ダントツ一位の漁獲量は北海道です。羅臼、松前、奥尻島、積丹半島、焼尻島などが名産地ですが、共通して言えることは昆布の名産としても有名な地域です。
ウニが主食としているものは昆布や海藻です。良質の昆布や海藻を食べるウニの味は、いいに決まっていますね。天然生ウニは6月中旬~8月初旬が旬です。
日本での漁獲もありますが、90%は輸入に頼っているようです。輸入先の主な国は北米、チリ、ロシアなどが多いのです。
ウニは世界で900種ほどが生息しており、日本近海ではおよそ140種ほど生息しています。
ウニの寿命はバフンウニで7~8年、キタムラサキウニは14~15年程度と言われています。
ウニは漢字で書くと、「海胆」「海栗」「雲丹」などと書きますが、生の状態を示すウニは
海胆と海栗と書かれます。雲丹と書かれたものは加工された状態のウニを意味します。
ウニは古く、有史以来から食べられてきたようです。西暦713年の「風土記」にその記録が残されていました。最初にウニやナマコを食べた人はすごいといわれますね。勇気がいったことでしょうね。
ウニは人の皮膚の粘膜を正常に保つ働きがあり、シミやそばかすの予防や、がんの予防にも効果があります。栄養面で大変優れた食材ですね。
販売されている生ウニには2種類あります。蒸しウニや練ウニもおいしいのですが、なんといってもウニは生で食べるのが一番です。
「板ウニ」
ウニは水分が多く、型崩れしやすいので、食品添加剤としてミョウバンを使います。ミョウバンはウニの身が溶けるのを防ぐ凝固剤の役目を果たします。こうして箱板にウニをきれいに並べて販売されるのです。
寿司などの見た目を重視する食品に使われますが、ミョウバンはウニ独特の甘みや、新鮮味を損ねてしまうというデメリットがあります。ウニは苦いから嫌いだという人がありますが、実はミョウバンが原因だったのです。
「塩水ウニ」
ウニは獲れたての生が一番おいしいため、可能な限り生に近い状態で販売しようと考えます。そのため海水と同じ濃度の塩水を使って、獲れたてのウニをプラスチック製のパックに入れて販売するようになりました。ウニの身が濡れた状態ですから見た目はいまいちですが、味は本物です。
「珍客へ まず山陰の 雲丹をだし」 今村夕路
「雲丹でのむ 猪口のしずかな 上げ下ろし」 田中空壺
「海胆 怒る 漆黒の棘 ざうと立ち」 橋本鶏二
「海胆の針 紫にして 美しき」 野村喜舟
「雲丹採りに かたむき迫る 利尻富士」 澤田緑生