よくクイズでイギリスの正式名称を答えなさいという出題があります。
答えは「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国(The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland)」という非常に長いものです。
世界に先駆けて17世紀に産業革命を成功して、フランス軍を率いるナポレオンとの戦いに打ち勝ち、カナダ、オーストラリア、インド、香港といった広大な植民地を次々獲得して“世界の大英帝国”を造り上げてゆきました。
18世紀には米英戦争でアメリカの独立が宣言され、それ以降は世界の中心がアメリカになりましたが、それでもなお今もイギリスは歴史があって気品高い国であり続けています。
さてそんなイギリスの食文化ですが、イギリス料理は穀物を中心としたものが主流で、穀物を加工したオートミールなどシリアル食品やパスタを使った料理が多いです。
またジャガイモは揚げたり茹でたりしたものを主菜の付け合わせとして出される機会が多く、無くてはならない食材のひとつです。
そして肉や魚などは素材の味を活かして余計な味付けをしないシンプルな料理がメインとなっています。
ちなみにカレーはインドが発祥の料理ですが、大航海時代のイギリスが世界に広めており、かつ世界的に広がったカレーはイギリスがアレンジしたものだったのです。
イギリスの魚料理で非常に有名なものは“フイッシュアンドチップス(Fish and Chips)”ではないでしょうか。
白身魚の身をフライにしたものをフライドポテトの付け合わせと一緒に食べるものです。
ファーストフードとして長い歴史があり、今もイギリスでは広く愛されている料理のひとつなのです。
余談ですが私の妻は過去イギリスで生活していたことがあり、学校帰りのロンドン市営バス(赤い2階建てのバスは有名ですね)の2階最前列に座って、ロンドンの街並みを眺めながらフイッシュアンドチップスを頬張ることが楽しみのひとつだったそうです。
調理に使う魚はコッドやハドックなどのタラ類やオヒョウなどカレイ類の白身が主流です。
特にコッドの身はみずみずしくて美味しいのだそうです。
衣は小麦粉を卵と水で溶いたもので、色合いを良くするため酢か重曹をいれています。
ほかに苦味を増すためにビールを入れるのですが、ビールの種類によって揚がったあとの生地の色合いや味わいが変わるのがフイッシュアンドチップスの美味しさのひとつだそうです。
揚げた魚の身とともにフライドポテトが添えられますが、身をフライしたときに出る衣のかけら(スクラップスという天かすみたいなもの)も一緒に添えるのも忘れてはいけません。
作りたてのフィッシュアンドチップスはたっぷりのお酢を浸して食べるのが幸せな気分になるのだそうです。
さて次回はイギリスとタラの不思議なお話をしたいと思います。
画像出典元:https://haciendaconcepts.files.wordpress.com/2009/08/dsc_0053.jpg