魚と電気 その2

さて、前回ではデンキウナギの発電力は600ボルトもあることを綴りました。
デンキナマズまではゆかないまでも、アフリカの淡水に生息するアロワナ目のギムナルクスやモルミルス、そして南米の淡水に生息する硬骨魚ギムノタスなど、数ミリボルトから数ボルトの弱い電流を出す魚は200種類以上もあるのです。
発電部分は体の後半部にリボン状になっている、または尾びれの付け根に埋まっており、体の体側筋の大部分が発電部位で出来ているデンキウナギの様に強力な電流を流して相手を倒すことはできませんが、電気に対して敏感な受容器が備わっているので、非常に弱い電流を察知するレーダーのように活用しています。

ギムナルクスの発電器からは毎秒300回ほど弱い電流が絶えず出されています。
障害物がない広い場所ではこの放電によって体の周囲に左右対称の電場(電気を帯びている周辺)ができ、電場の中に何者かが入ったときには電導度が大きいものであれば電気力線はそこに集まり、逆に電導度が小さいものであれば電気力線はそこから外れます。
いずれの場合も電場が乱れて魚体の周りの電位が変わり、それを受容器で受けて行動するのです。

そしてギムナルクスの習性について実験をしております。
水槽の一端に二本の陶器の瓶を離して入れ、一方の瓶には水槽の水が入り、もう片方の瓶には絶縁体となるパラフィンが入っています。
この水槽では水が入っている陶器に魚が近づくと餌を与えるように訓練をしました。
そのうちギムナルクスは餌を食べたいときはパラフィンが入った陶器を無視して、水が入っている陶器に近づくようになりました。
絶縁体の種類をパラフィン以外に蒸留水やガラス管のような絶縁体に置き換えても、ギムナルクスは同様に近づくことはありませんでした。
また今度は水が入っている陶器を、蒸留水に塩化カリウムか酢酸を加えて水と同じ電導度にしたとき、ちゃんとそこに魚が寄ってくるのでした。

ギムナルクスは濁った水の中で生活している魚で、暗いところで活動をします。
そんな環境で生活しているので、彼らは発電器と電気受容器を活用して視界がない状況下でも障害物や敵などの存在を明確に捉えることができるのです。
画像出典元:https://ameblo.jp/potetkid/entry-11884169533.html

 

魚と電気 その1

魚と電気 その3

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