青いお話 その1


前回は赤い魚について綴りました。
深海で生活する種が多いことと、周囲の暗さに擬態するため光が反射しない色ということが赤い魚体である理由でした。
そして、甲殻類などを食べてその色素を体に取り込んでいるというメカニズムがあります。
さて今回は「青いお話」を綴ってゆきたいと思います。
「青い魚」という言葉を見聞きして、最初にイメージするものはグッピーやネオンテトラなど熱帯魚のような色鮮やかな魚でしょうか。
それともサバやイワシ、サンマなど所謂「青物」と言われる魚のことでしょうか。
私は後者のほうですなぁ…。
主に熱帯魚はサンゴ礁が形成される、水深20メートル程の浅い海域に生息しています。
この浅い海中の環境は太陽光がはっきり差し込み、非常に明るいのです。
熱帯地方は太陽の光量が強いため、鮮やかな色調になり動植物の多様性に富みます。
海中のサンゴや海藻は色とりどりのカラフルなものが多いですが、この様な環境で生活をする熱帯魚は地味な色よりも鮮やかな色の方が周囲に溶け込んで目立ちにくいという理由があります。
そして種の繁栄という理由があります。
浅い海域で生息する魚種は数多く存在するため、自身が認識する相手が同種と見分ける識別がしやすくするため鮮やかな魚体であることが挙げられます。
1973年にノーベル生理学・医学賞を受賞したオーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツ博士は、1962年にサンゴ礁に生息する魚類の劇的なまでに多様な色彩は、間違った種と闘うことを避けるための淘汰によるものではないかと論じました。
異なった種の異性との交配を避けるためという理由がありますが、それに付随して異なった種の同性同士の闘いを避けるためと考えられます。
熱帯魚が近くに生息する競争相手とならない種を攻撃することにメリットがないというのです。
同一の環境に生息する沢山の種の魚体色の違いが強調され、体色の違いはメスにとって自分の種のオスを見分けやすくなるのです。
色彩が鮮やかということ、これは魚が異種間の闘いを避けるため、または異種間の交配を避けるためなのです。
このローレンツ博士の説は、発表されてから50年経った現在も完全に解き明かされていませんが、果たして魚はどれだけ種の認識ができるのか、またそれができる魚は何種類ほど存在するのか、異種間闘争と進化的過程について今後も研究が期待されます。
次回は「青物」魚のお話をしたいと思います!

 

青いお話 その2

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