最近、心地よい春風に吹かれて高い青空を見上げるのはとても気分がいいですね。
大型連休のゴールデンウィークに差し掛かかっていますが、皆様はどこかにお出掛けされていますでしょうか?
本日5月5日は子供の日、端午の節句ですね。
私が子供の頃は、街のあちこちでこいのぼりが風にそよいでいる光景をよく見たものですが、最近はどうなのでしょう。
今住んでいる街が繁華街の近くで、そういった住宅が周りに見当たらないだけなのかな。
端午の節句にこいのぼりを出すようになったのは、江戸時代末期の文政時代の頃であり、裕福な町人の間から起こった行事とのことです。
元々、端午の節句は武家が男児の出世と健康を願って庭先に旗指物を立てていました。
この行事は武士だけのものであり、庶民がすることは許されなかったのでこれに代わるものとしてこいのぼりが考え付いたといいます。
紙や布を使って、鯉の絵を描いた吹き流しが風をはらませてなびかせるという按配です。
このこいのぼりは瞬く間に江戸の街中で流行し出し、歌川広重の錦絵「江戸百景」ではこいのぼりが風に吹かれている光景が描かれています。
武家の旗指物の代わりに鯉が思いついたのは、この魚が滝さえも登るという元気な魚とされていたためです。
「鯉が滝を登る」という言い伝えは日本国内には数多く存在しています。
例えば奈良の龍門の滝に登った鯉はたちまち龍になったという言い伝えがあります。
ちなみにこのようなお話は中国でも数多くあり、有名なものでは黄河は崑崙に発し積石山を経て龍門に達するといいますが、この流れは非常に急であり多くの魚は登れずに死んでしまう中、鯉だけはこの黄河を登り切り龍になったといわれています。
さて実際のところ鯉は滝ほどの急流を登るかというと、そうではありません。
鯉は急流を逆走するほどの泳力はなく、鯉の滝登りは神話でしかないのです。
しかし、鯉が滝を登ろうが登るまいが、こいのぼりには子供が元気にすくすくと育ってほしいという願いが託されていることには違いありません。
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