皆で参加、楽しい漁業…大阪・岡田浦漁協


関西国際空港と連絡橋で結ばれている大阪南部の泉南市。
泉南市沿岸部は関西国際空港の開港に合わせて、りんくうタウンという臨海地区の整備がされました。
そのりんくうタウンの一角に岡田浦漁港という昔ながらの小さな漁港があります。
漁港の目の前には阪神高速の大きなジャンクションがある都市型の漁港です。
マダイ、マナガツオ、アカシタヒラメ、メバル、サバ、ヒラメ、タチウオなどの魚類をはじめ、頭足類、甲殻類、貝類など100種類以上に及ぶ魚介類が水揚げされています。

日曜日の朝、漁港はいつも沢山の人だかりが出来ています。
朝6時から正午まで、漁協直売店で日曜朝市を開催しているのです。
地元の人ならず、大阪市内や京都、神戸からも新鮮な魚を買い求めに来る人で賑わいます。
また、岡田浦漁港は地元名産の泉ダコ、近畿のアナゴの漁獲量が多く、「タコ飯」、「アナゴの天ぷら」を販売しています。
朝早いうちに魚介類が売り切れてしまうことも珍しくはありません。

この日曜朝市以外にも岡田浦漁協の青年部が中心になって、地元の人々や観光客に漁業を楽しんでもらうため、様々なイベントを実施しています。
水曜、日曜以外の午後2時過ぎより、仲買人向けの競り見学があります。
漁師や市場関係者、仲買人が白熱して競りを行っている中で、競りの流れや仕組みを分かりやすい説明を受けながら見学ができます。

そして体験漁業も積極的に実施しており、実際に漁船に乗船して刺し網漁やアナゴ籠漁を体験することができます。
地元の中学校や高校から社会見学の申し込みが多いです。
4月から10月の週末は地引網体験会を実施しています。
漁協近くの砂浜にて、50人がかりで一斉に網を引くのです。
会社やサークルの親睦会や、子供会や町内会など家族連れグループに好評です。
この地引網体験会、網を引っ張ったあとはバーベキューが用意されているのです。
自分たちで獲った新鮮な魚を、砂浜バーベキューで存分に味わい楽しむことができます。

近畿一円から客がやって来るほど知名度がある岡田浦漁港ですが、何よりも地元の人々の生活圏の一つになって欲しい思いがあります。
そのため泉南市内のイベントのときはPR活動を行い、泉ダコの唐揚げやタコ飯の販売を実施しています。

岡田浦漁協では泉南市の臨海部、りんくうタウンの魅力を伝える「りんくう海道ブルーツーリズム事業」を実施しています。
砂浜の清掃や、群生するハマヒルガオ保全活動を行い、現在では多くの市民が活動に参加しています。

また漁協近くの戎畑遺跡より、弥生時代に使われたタコ壺などが発見されており、遥か昔より泉南はタコ漁が盛んだったことが証明されています。
岡田浦漁協は阪南大学、泉南市役所と一丸になって、美味しいタコが獲れる街という情報発信をしています。
漁協青年部の皆さんはこれからももっと様々なイベントや情報発信を通じて、地元の人に愛される漁協でありたいとしています。

 

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