サケあれこれ その2


前回ではサケとマスに明確な違いがないことを綴りました。
さてサケ科の魚というのはいったい何種類あるのかというと、サケ属、タイヘイヨウサケ属、イワナ属、イトウ属、カワヒメ属、アカントリングア属、コレゴヌス属、サルモティヌス属、ステノズゥス属、ブラキミスタクス属、プロソビウム属の11属66種に分類されます。
そのなかで、日本でお馴染みなものは「サケ属」のサケ、ギンザケ、カラフトマス、ベニザケ、サクラマス、マスノスケ、カラフトマス、ニジマス、クニマスなど、「イワナ属」のイワナ、アメマス、そして幻の魚と言われている「イトウ属」のイトウです。
サケ科の歴史は大変古く、5,600万~3,600万年も昔の始新地世には生息していたとされ、先祖の化石がカナダのブリティッシュコロンビア州の中間始新世紀地層で発見されています。
元々河川など淡水域に生息するものでしたが、氷河期になると餌が豊富な海を求める降海性が強まりました。
サケ科の魚はイワナ型→ニジマス型→サケ型という順番に進化をしたと見られています。
独立行政法人さけ・ます資源管理センターが環太平洋に生息するシロザケ(日本18集団、ロシア10集団、アメリカ21集団、韓国1集団)の遺伝子(ミトコンドリアDNA:mDNA)を調べたところ、DNAの塩基配置が30種に分類され、さらに細かく調査したところ、環太平洋に生息しているシロザケは3つのグループに集約されたのです。
遺伝子的多様性(様々な祖先のルーツや親になる魚の種類が豊富であること)は日本周辺に生息するものが最も多く、次いでロシア、アメリカの順でした。
現在、環太平洋の各々地域に生息するシロザケには地域間で遺伝子的文化が生じており、生息している地域内で魚の集団が成されていることが解ったのです。
サケは日本海を起点としてロシアやアメリカに分布が拡がったと見られておりますが、それを裏付けるようにカナダのNeaveによる研究では、生物地理学的視点より東アジアが起源であるとされています。
今から200万年前、北極海とベーリング海が一続きになっていた頃、タイセイヨウサケの先祖(サルモ)が太平洋に入り込んだとされています。
氷河期になると日本海に閉じ込められたサケが進化を遂げて、現在の様なシロザケの様相に近づきます。
その後、日本海で生息しているシロザケは太平洋一帯に分布領域が拡がったとされています。
画像出典元:http://tagawa0103.seesaa.net/article/125561531.html

 

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