スズキは高級魚のひとつとして、古来より脈々と食されてきました。
古事記や万葉集にも登場し、文献によれば神事にも使われたり、平清盛が船で熊野へと詣でる際、船上に飛び込んできたのがスズキで、以来清盛は太政大臣にまで出世したことから、出世魚であることもあり、縁起の良い魚とされました。また味がとてもよかったことから人気が高かったそうです。
しかし戦後になると水質汚染が原因で臭い魚と言われてしまい、安い魚の代表的なものとなってしまったそうです。
昨今、スズキが生育する内湾の水質が改善されたことからもスズキの価値が見直されてきています。
特に東京湾内房での高鮮度化によるスズキの高級化はとても注目されています。もういちどこの上質の白身を味わい直すべきだと考えているようです。
昔は高級魚として人気があったのに汚染問題で安い魚になってしまったんですね。
スズキの味
スズキは、淡白な中に独特の風味がある透明感のある白身で、かすかに川魚を思わせる香りがあります。
また血合いがほとんどない白身で、スズキの名称は「すすぎ洗いしたようなきれいな身」に由来するといわれるほどです。
寿司屋で白身の代表といえば、鯛・スズキ・ヒラメだが、脂肪もこの順に多く、身質は鯛に似て、柔らかくあっさりして旨みがあります。
旬を迎える夏のスズキは洗いにすると身が引き締まり、さっぱりとしながらコクがあります。
そしてビタミンなど高い栄養素を持つスズキは、皮目も一緒に食べるのもおすすめです。
スズキほど時期によって味が変わる魚も珍しく、秋になり子持ちになると、味が急激に落ち、生臭くなります。なので、旬は4月から8月で夏のスズキはよく太り、非常に美味です。
痩せると尾のあたりから身肉が落ちるため、この部分がふっくらしているものを選ぶといいでしょう。大きくて太ったものを選べば、間違いありません!!
ヒラスズキは?
ヒラスズキは入荷量が少なくあまり市場に出回らないのですが、とても美味しいと評判の魚です。
ヒラスズキは荒磯を好み、都会と違って水がキレイな場所で暮らしているため、一般的にスズキと呼ばれるマルスズキと比べると血合いが少なく生臭さがないため、マルスズキやタイリクスズキと比べても絶品とも言われています。
イサキや鯛に似ていると言われ、淡白な中にも上品な旨味と甘味を感じることができます。
脂が乗って引き締まった身は歯ごたえがあり、新鮮なものは刺身で食べるのがおすすめです。
ヒラスズキは一年を通してそれほど味に変化がなく、いつでも美味しく食べられる魚です。その中でも特ヒラスズキは、産卵期を避けた時期である晩秋から冬にかけてが特に美味しいと言われています。
味に定評のあるヒラスズキをより美味しく食べるには、活け締めにしたものを選んでいただくとより満足していただけると思います。
季節に合わせて、それぞれいいとこ取りをして楽しんでください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回、サカマでは夏の旬「スズキ」についてご紹介してきました。
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