毎日の食生活の中で気になるのが血糖値ですね。普段は気にもとめず三度の食事を摂っていますが、健康診断を受けた時、血糖値が高くなっていることに気付く人は多いのではないでしょうか。
血糖値って私たちの体内を流れる血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度を示す値ですね。これが高すぎても低すぎても私たちの体にはいろんな不具合が出てきます。
私達は食事から栄養分を吸収しますが、欠かせない栄養素に一つに「糖質」があります。
糖質が体内に入るとグリコーゲンという多糖類になって、エネルギー源や滋養源として肝臓や筋肉に蓄えられます。
そこからブドウ糖になって血液の中に入り込み、全身の細胞に運ばれます。血糖値が高くなると血液が濃くなって脱水状態になり、血液はドロドロになっているのです。
考えただけでも恐ろしいですね。濃いドロドロの血液が全身を巡回しているのです。体の中には毛細血管が多い部位があります。もしも血管が詰まってしまったら・・・。
血糖値の急激な上昇によって、動脈硬化などの発症リスクが高まります。こんなことにならないように気を付けて改善するためにこの記事を書きました。
食事のとき米飯より先に野菜から食べるといいという話はよく聞きますね。これは野菜の食物繊維の働きによって小腸で糖分の吸収が緩やかになるため、血糖値の急激な上昇を抑えられるからです。
そして魚好きのあなたにとってうれしいニュースがあります。
魚を米飯より先に食べると血糖値の上昇が抑えられることが判明したのです。
関西電力医学研究所(神戸市)の研究で分かりました。「米飯の前に魚や肉を食べると、血糖値の急激な上昇を抑えることができる。同じメニューでも食べる順番を意識することで、糖尿病の予防につながる可能性がある」と言っています。
矢部大介副所長(糖尿病学)らは、2型糖尿病患者12人と、健康な人10人を対象に、米飯を先に食べた場合と、魚(サバの水煮)または肉(牛肉網焼き)を米飯を摂る15分前に
食べた場合について、それぞれ食後4時間の血糖値を調べました。
その結果、どちらも(患者・健康体)血糖値の上昇幅は「米飯が先」と比べて「魚が先」の人は約3割、「肉が先」の人は約4割低いことが分かりました。
いずれも「インクレチン」という消化ホルモンによって、食後30分で約2倍多く分泌していることが分かりました。
この影響で胃の動きが緩やかになって、米が小腸で吸収されるまでの時間が約3倍長くなったようです。
矢部さんは「野菜、魚・肉、米飯の順でゆっくり食事をとることによって、より効果が得られるだろう」と話しています。
(出典元 朝日新聞デジタル2016年1月4日)