漁港何でもランキング(その4)…日本最東端漁港・東京小笠原村 二見漁港


さて、今回は日本最東端の漁港のお話です。
この漁港は東京都にあるのですが、築地や江戸川などではありません。
首都圏から東南984kmに位置する小笠原村です。
小笠原村は30の諸島で構成する小笠原諸島の管轄市町村です。
住民が居住しているのは諸島の中で父島と母島のみで、人口は2,871人(2015年5月現在)、気候区分は亜熱帯地方に属します。

日本の領土としての最東端は小笠原諸島の南鳥島で更に父島、母島から800kmも東にあり、東京首都から1,800km、グアムから1,200kmのところに位置します。
南鳥島は航空自衛隊、国交省の関係者しか立ち入りができません。
ちなみに日本最南端は前回にて沖縄波照間島とご紹介しましたが、真の日本最南端領土は小笠原諸島の沖ノ鳥島です。
ここは干潮時のみ環礁の大部分が姿を現す島で、この島も民間人の立ち入りはできません。
いずれの2島は小笠原村の管轄です。

小笠原村の行政、経済中心地は父島で、小笠原村住民のほとんどが父島に在住しています。
父島は自然環境や歴史、文化を学び、それらの持続可能性を考慮するエコツーリズムで有名です。
島には空港が整備されておらず、東京竹芝桟橋からのフェリーが重要な交通手段です。
父島二見港までの所要時間は25時間です。

小笠原村には父島漁協の二見漁港・母島漁協の母島漁港と沖港の3つの漁港があります。
2島には70名の漁業関係者が従事しており、漁師の平均年齢が40代と非常に若く活気に溢れています。
毎年採用しており、都会から若い世代の人が漁師を目指してやって来ます。
独立するまでの研修体制、独立資金の援助、生活する寮の提供など手厚いサポートを漁協が行っています。

漁はメカジキやオナガダイ(ハマダイ)など比較的浜値が高い魚種を中心に行っています。
漁法は小笠原深海縦網漁と呼ばれ、水中深く垂直に糸を垂らすのです。
父島に東京都水産センターにて、調査船で小笠原周辺の海域に生息する魚を調査したところ、水深600mの深海にカジキが生息していることを突き止めたため、この小笠原独特の漁法が生まれました。
また、サンゴ礁にはイセエビ、シャコガイ、マルサザエなどが生息しています。
水産資源は厳しく管理をしており、乱獲にならないように禁漁期間や場所の設定を行っています。

また水産センターでは養殖魚の生産開発を行い、量産が可能になった魚種を小笠原漁協の養殖部門に生産委託して本土の養殖業者や自治体の種苗放流事業向けに出荷されます。
現在生産を行っている魚はシマアジ、アカハタ、カンパチ、ヒレナガカンパチ、イシガキダイ、イシダイの6種です。

そして気になる小笠原村の魚名産料理は、アカハタの味噌汁、島寿司、島で製造したラム酒を使用したサワラのみりん干しが有名です。

 

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