ウナギあれこれ その5

ちょっと前回はキナ臭いお話になりましたが、もう少し続けます。
台湾から台湾海峡内にある離島“金門島”を経由して中国本土に向けてシラスウナギを密輸するということでしたね。

この島は元々台湾が中国本土に対して軍事最前線という位置づけでしたが、2000年代の馬英九総統時代に中国本土と文化、経済交流活動を締結したことをきっかけに金門島は中国からの観光客が入国する出入り口となり、年間30万人が訪れています。
金門島と対岸のアモイ間に旅客船が就航していますが、簡単なパスポート・手荷物チェックで乗船ができます。
客船内に持ち込んだスーツケースの中にシラスウナギを忍ばせており、一回の密輸で数千万円相当になると言われています。
この経路を利用して密輸業者は台湾産のシラスウナギを中国に運び、最終的に香港の輸出業者から“香港産”と偽って日本に向けて輸出されてゆくのです。
こうして日本に到着したシラスウナギは香港が輸出国となっているので、日本では合法なもので何ら問題がないという「問題」があるのです。

シラスウナギの密輸に台湾当局は警戒を強化しており、最近では台北空港で香港行きの積載貨物のなかに32万尾、金額にして6千万円相当のシラスウナギを摘発しています。
台湾の行政院農業委員会漁業署(日本の水産庁に該当)によると「シラスウナギの輸出禁止後、香港方面への密輸が蔓延っていることは知っている。罰則を強化して摘発に乗り出して成果を上げているが、それでも取り締まりは容易ではない」とコメントがあります。

何故、今でも台湾産のウナギが人気なのでしょうか。
マリアナ付近で産まれたウナギ仔魚は黒潮に乗って日本方面に流れてきますが、台湾には日本のシラス漁解禁の一カ月も早く到達します。
0.2グラムほどのシラスウナギを出荷サイズの200グラムに成長させるには、天然では5年というとても長い時間を要します。
しかし養殖の場合ではビニールハウス内に養殖池を張り、ボイラーで水温を上げて潤沢に餌を与えるという方法で、たった“半年間”という極めて短い時間でウナギを成長させることができるのです。
つまり年末に捕獲したシラスウナギを半年間で畜養させることで、日本国内で最もウナギ需要がある「土用の丑の日」に間に合う訳です。
養鰻業者はこれらのウナギを巡りとても激しいせめぎ合いを繰り広げており、一刻も早く日本に到着させて遅くとも1月には養殖池にウナギを入れたいという思惑があるのです。
この時期のシラスウナギはキロ300万円という超高額なものですが、日本の一大イベント「土用の丑の日」に間に合わせるにはやむを得ないとしています。

画像出典元:http://namingpress.com/?p=5770

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