私は聖書に出ています、フランスでは「サン・ピエール」…マトウダイ


こんにちは。日に日に秋の色が深まる今日この頃、皆様は如何お過ごしでしょうか。
私事ですが嬉しいことがありました。
先日、定期健康診断に行ったのですが、昨年と比較してコレステロール値が大きく下がっていました。
元々、魚は好きなのですが、さかま図鑑で記事を書くようになってから、殊更に魚を食べる機会が増えました。
やはり、美味しい魚の話を書いていると晩御飯に食べたくなりますからねぇ…。
最近は目をキラッキラッに輝かせながら、鮮魚店に猪突猛進しています。
魚のことは学べるし、美味しい魚を食べる機会に出会えるし、コレステロールは下がると本当にいいことづくめです、ハイ。

さてさて、話が大きく脱線したところで本題に戻りましょうか。
関東より南で漁獲される魚の一つに「マトウダイ」という種があります。
40センチくらいの大きさが一般的ですが、大きいものは90センチに達します。
太平洋、インド洋、地中海、大西洋の全世界に渡り、熱帯から亜熱帯の温暖な海域の100メートルの深さに生息します。
仔魚から成魚になるまで4年ほどの時間を要し、成魚は甲殻類や頭足類を捕食して生活をしています。
群れを成さない魚なので、まとまった数で水揚げされることは殆どありません。

平べったい楕円形の様なマトウダイは、横腹の真中に大きな黒点がトレードマークです。
弓道の的みたいな様相から「マトウダイ」という魚名の由来があります。
また、顔が馬に似ているため「馬頭」という呼び名もあります。

フランス語では“Saint-Pierre”という名前で呼ばれており、ドイツ語、スペイン語も言語は違うものの概ね同じ意味で呼ばれています。
イエス・キリストの十二使徒、聖ペドロにちなんだ名前なのです。
聖ペドロは銀貨をマトウダイの口から取り出した奇跡という伝承があり、マトウダイの黒点は聖ペドロの指紋と見立てられております。
そのことから英語では“Target Perch”と呼ばれています。
(但し英語でのマトウダイの正式名称は“John Dory”と呼ばれ語源は不明です)

とても由緒がある名前を、マトウダイはワールドワイドに持っているのですね。
食用としての利用もまたワールドワイドです。
フレンチではソテーやフェンネルとのミルフィーユ仕立て、イタリアンではオリーブオイルとハーブのオーブン焼きなどがあります。
バターと相性がいいのでポワレやムニエルにして食べると大変美味しいです。

さて、日本では冬が旬の魚とされています。
刺身や寿司で、生でマトウダイ本来の味を楽しむと、もちっとした食感の中に淡白な白身の味わいに旨みと、ほのかな甘みが広がります。
冬場の魚は脂が乗っているので、脂の旨みも楽しめます。
また、肝や卵がこれまた絶品ですので、一緒に添えるといいですね。
焼き魚にするときは塩を振って少し時間を置いてから焼くと旨みが引き出せます。
その他、煮付けや鍋にしても美味しくいただけます。
中華料理でマトウダイを蒸して、熱した胡麻油を垂らして食べるのも最高です。

なかなか鮮魚店に入って来ませんが、店頭に並んでいたときはマトウダイのお料理を楽しんでみてはいかがでしょうか…私は見つけたら買います。
また、食べたい魚リストに一品増えてしまいました。

画像出典元:http://cypselurus.exblog.jp/11157254/

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