LTEモジュール搭載のハイテクブイ登場!「スマートブイ」


海を相手に仕事をする漁業は「海が荒れた翌日は魚が獲れる」、「海の水の色を見ると何の魚がいるのかわかる」などといった漁師の勘や経験に頼るところが大きいものです。
コンピュータを利用した漁業の効率化は以前より取り組まれていましたが、技術の進化とともにより精度の高いシステムが構築されています。
さる10月18日、KDDI総合研究所と一般社団法人東松島みらいとし機構(HOPE)はセンサ、カメラ、通信機能などを搭載したハイテク機器、「スマートブイ」を使用したスマート漁業実証実験を宮城県石巻湾にある漁場で開始することを発表しました。
定置網漁業の効率化を目指すというものです。
スマートブイには水温や海水の塩分濃度を測定できるセンサーがあり、LTEモジュールを搭載して定期的に概況データをサーバーに送る送信システムのブイ、定置網の中にどんな魚がいるかを見ることができるカメラブイで構築されています。
スマートフォンで主流のLTE回線を利用することで、データ送信速度の高速化、省電力化が図れ、さらに大きな画像データのやりとりができるのです。
またブイには台風で波に流されたり、盗難された場合を想定してGPSが備わっています。
今回のスマートブイ実験にあたり、カメラブイを1基、センサーブイ3基を漁場に設置します。
スマートブイから発信されるデータと該当する漁場の漁獲高の関係を見ることで、データの裏付けが取れている“効率的”な漁業を展開することを目指します。
今回の実証実験は、秋から冬にかけて漁の最盛期を迎えるサケに絞って行われます。
スマートブイから送られてサーバーに取り込まれたデータに基づいた漁を実現するとともに、二次的なこととして料理店などが漁獲量の予測を元に漁業者に直接海産物を予約するシステムの構築にむけた取り組みが産学官協同で行われます。
実験はKDDI総合研究所、一般社団法人東松島みらいとし機構、大野電子開発が共同で設計・開発したスマートブイを漁場に設置します。
システムの長期運用の可能性、スマートブイから得られるデータの有用性を評価します。
そして、岩手県立大学が開発した漁業データ入力アプリを用いて、今回実験をする大友水産が漁獲量の予測・実績などを記録します。
収集したデータは、スマートフォンやPCなどで閲覧することができます。
今回の実験で得られたデータは、将来はITを駆使した漁業の更なるステージを拓く足掛かりとしています。
今後は具体的に漁業者の漁の出航計画、様々なデータをリンクして関係性を予測、消費者へ産地直送小売モデルのありかたについて検証するとしています。
画像出典元:http://blog.goo.ne.jp/peace9090/e/06ab010bd8291dcc853efe769a113339

新鮮な鮮魚が手軽に買える、サカマアプリ

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事