北海道・道東でサンマ棒受け漁はじまる


立秋を過ぎましたが厳しい暑さがまだまだ続く今日この頃、如何お過ごしでしょうか。
今日は一足早い秋の旬について綴りたいと思います。
お盆を直前に控えた8月10日、北海道道東の根室市ではサンマ棒受け漁が解禁になり、約60隻の漁船が根室市の花咲漁港を出港しました。
サンマの漁場は主にロシアの200海里水域付近で、一回当たり3日間の操業を行っています。
13日には漁場から戻って来た船が水揚げを行い、太陽に輝いたサンマが銀色に光っていました。
この日の水揚げは21トンを記録し、魚体平均は150グラム、初競りは昨年よりも1割高いキロ950円の値が付きました。
漁のまずまずの滑り出しに、漁師たちはこれからの操業を期待しています。
さて、この時期のサンマ漁解禁は美味しさと密接な関係があるのです。
サンマは回遊性の魚で冬から春にかけてはオホーツク海や北太平洋方面に北上して、夏から秋にかけては黒潮を目指して九州方面へ南下します。
サンマは動物性プランクトンを食べながら回遊しますが、道東沖は暖流と寒流が交差することで海水中の栄養価が高いため、大きく脂肪分が多い動物性プランクトンが大量に発生します。
そのため、道東沖で餌を沢山食べたサンマは身に脂が沢山乗っており、丸々と肥えて非常に美味しいのです。
道東では、サンマが灯りに集まる行動習性を利用した「棒受け網」と呼ばれる方法で漁が行われています。
時は1940年代、当時戦後だった日本は物資不足で限られた資材を有効利用するために発明された漁の方法です。
大きな網や撒き餌など使うことがなく簡単な方法でありながら、水揚げした魚の体に傷をつけることがないので、改良されながら現在でもこの棒受け漁が受け継がれています。
魚群探知機でサンマの群れを発見したら、船の右舷側に集魚灯を照らして魚を集めます。
反対側の左舷側では網を敷いて魚が入る様に準備をします。
集魚灯に集まった魚を左舷側の網に誘導するため、右舷側の集魚灯を船の後方から消し、左舷側の前方から灯りを付けてゆきます。
すると魚の群れは光を追いかけながら左舷の網のほうに向かい出します。
左舷に集まった魚は興奮状態になっているので、赤い灯りを照らして魚を落ち着かせます。
興奮から落ち着いたサンマは網の中で群れ行動を取り出しますので、このときに網を手繰り寄せ、水揚げしたサンマは氷が張った魚槽に入れて冷却します。
まもなく脂が乗った旨いサンマが食べられると思うと、今からわくわくしています。
画像出典元:http://blog.goo.ne.jp/suisan-h/e/

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