北海道・秋サケが記録的な大不漁


秋の旬としてこの時期の需要が大きい秋サケですが、今年は全く漁が振るいません。
昭和59年(1984年)に北海道では秋サケの大不漁記録が出ましたが、今年は32年ぶりにその記録の数字に近づきつつあります。
また今年の漁は平成以降、唯一3000万尾を下回った平成4年(2755万尾)にも届かない状況で、10億尾の魚を放流開始して以来、最低レベルの漁に終わる可能性があります。
水揚げが少ないということは当然卸値に影響が出ており、東京・築地市場では前年より3~4割程度高くなっています。
今年は秋サケ主産地の北海道や東北の水揚げが大幅に減少しているため、小売りにも影響が出ているのです。
10月下旬の北海道の9月末の漁港浜値はキロ530円台と、昨年より2割近い高値を推移しています。
そして築地市場の卸値は、生が1キロあたり540~1400円で推移していますが、前年同時期と比べて3~4割程度の高騰です。
魚卵のイクラ製品に至っては量目調整では賄いきれないほど高騰しています。
首都圏のスーパーや鮮魚店では秋サケ販売価格は、およそ200グラムで200~300円という価格帯です。
普段であれば秋の味覚の目玉商品として大売出しされますが、今年は特売を控える店が多い模様です。
北海道漁連の集計によると10月下旬までの水揚げは、前年の同期と比べて何と29%も減っており、6万7151トンでした。
特に10月中旬以降は一日の水揚げ量が500トン前後まで失速してしまい、秋サケ漁の主産地であるオホーツク地区は「オホーツクにやってくるサケの体は黒ずんでおり、漁の終盤を示す魚が見え始めている」と諦めムードが漂っています。
さけます・内水試の今年の来遊予測は昨年を6%程度上回る3902万尾と見ていました。
そして秋サケの回遊主群の4年魚が全体の約5割程度を占めると予測されていましたが、同水試が河川を遡上したサケの年齢を調べてみたら、4年魚は「予測数」の45%程度しか回帰していないのです。
秋サケの来遊が少ない理由として、8月下旬~9月にかけて北海道方面を襲った台風が影響していると見られています。
台風により海水が濁る影響があり、今年は秋サケが日本の漁場に寄り付きにくくなった可能性があるのです。
もし秋サケ漁が昨年の7割程度の約7万4000トンで終わってしまった場合、昭和59年(1984年)に記録した約5万9000トンに迫る大不漁の懸念がされています。
画像出典元:http://mombetsu-prince.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-aa25.html

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