さんまあれこれ その6


まだまだサンマのお話、続きます。
「えー、またかよ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少しお付き合いくださいませ。
そして今晩のおかずはどうしようかなとお悩みでしたら、是非鮮魚店で新鮮なサンマを買ってきましょう。
脂ノリノリの旨いサンマを食べながらこの記事を読むと、サンマが神秘的なものに見えてくるはずです…きっと。
不可解なことが多いサンマですが、実は戦前からサンマの生息については研究が行われていましたが、限られた一部の記録に過ぎず詳しいことはほとんど解明されていませんでした。
そして1960年、東北区水産研究所の遊佐多津雄氏はサンマの卵を人工授精させて、ふ化するまでの過程を解明することに成功しました。
およそ13.5~15.7℃の水温で飼育をして産卵後17日目に仔魚がふ化をしました。
ふ化したばかりの仔魚は口が開いていないので餌を食べることができませんが、腸管が形成される部分の近くに栄養を補う卵黄が蓄えられています。
卵黄を吸収し終えると口が開いて餌を食べ始めます。
このときは適当な餌がなかったため、ふ化後12日目に全て死亡してしまいました。
1968年、流れ藻に付いたサンマの卵を採集して飼育開始、ふ化後魚の離乳食である動物プランクトンのシオミズツボワムシ、アルテミア幼生、人工配合餌料やエビの肉を与えた結果、70日間飼育して最大で47ミリまで成長しました。
その後1991年には流れ藻に付いた卵を回収後、飼育を開始して、ふ化した仔魚を定期的に標本採集して耳石の観察を行いました。
耳石を観察する理由、魚の場合大抵の場合であれば雄雌で体長が異なる理由を除けば年齢も一致します。
しかしサンマは産卵期が長く、そして広範囲を泳ぎ回るため常に様々なサイズのものが獲れてしまいます。
つまり、どの時期にどこで生まれたかというサンマの生活履歴を特定することが非常に難しいのです。
永らくサンマの年齢と成長の相関は解明されず、食卓に並ぶ30センチになるまでには4年以上も掛かる、いや一年で達すると様々な意見が出ていたのでした。
さて耳石の観察をしたところ、ふ化時には4~5本の微細な輪紋が形成されていました。
そしてこの輪紋はふ化後30日まで1日1本ずつ形成されることが確認されました。
水温と成長の関係を調べるため異なる水温の水槽を3つ用意して飼育をしたところ、一番水温が高かった水槽のサンマの成長が早いことが解りました。
水温が高ければ高いほど、サンマの成長は早いのです。
そして、スミマセン…次回もサンマのお話が続きます。
画像出典元:http://sappoko.com/archives/36982

 

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