こんにちは!ジョージです!
今回は漁師の努力シリーズ第3弾、「血抜き」についてです。
第1弾の「活〆」、第2弾の「神経〆」を読んでない方は、ぜひ先にそちらをお読みください!
さて、今まで出てきた漁師の努力シリーズでおそらく最も重要で、最も体系化されていないのがこの「血抜き」ではないでしょうか。
そもそも、「血抜き」とは呼んで字のごとく、「血を抜く」ことなのですが、どんな意味合いがあるのでしょう。
一番の大きな意図としては、腐敗を遅らせるという意図があります。
生物の死後、体内に血液が残っていることは、腐敗の大きな要因のひとつとなります。
腐敗を遅らせるということは、すなわち鮮度を維持することにつながるわけです。
血抜きの方法は体系化されていないと言いましたが、これは「血抜き」という処置の定義が非常にあいまいだからです。
基本的には、魚の呼吸器官であるエラを切って流血させることを血抜きと呼びます。
しかし、エラを切るだけの血抜き、エラを切って氷水につける血抜き、エラを切って流血させながら水槽を泳がせる血抜き、エラを切ってから水の中で振る血抜きなど、そのやり方は千差万別です。
どれが正しいか、というのはそれぞれの処置をしている方の考え方があるのでここでは言及を避けますが、手間をかけたほうが、多くの血が体外へ放出され鮮度維持に効果を発揮します。
ここで読んでいただいたみなさんならお分かりかと思いますが、「活〆」も「神経〆」も「血抜き」もお魚が生きている状態、もしくは活〆後の死んですぐ(ここで言う、「死ぬ」とは脳死を定義とします)の状態でないといずれの処置も行えないのです。
(死んだ後も血抜きする方法は無いわけではありませんが、ここでは割愛)
すなわち、これらの処置は漁師さんのみしか行えない処置なのです。
言い換えると、漁師さんの処置によって魚の鮮度維持は決定されます。
厳密には、活魚(生きた状態で魚を漁獲する)や、漁法(魚の捕り方)によっても鮮度は左右されるので、この限りではありませんが、漁師さんの処置によって鮮度が大きく左右されることに変わりはありません。
今回、なぜ血が腐敗の要因となるのかまでは話しませんでしたが、いつかの機会に細かく記事にできればと思います。
漁師さんの努力、少しでも伝わったでしょうか??
ただ、一つ注意してほしいのが、「血抜きされていない魚は悪い魚だ」というのはあまりに暴論です。
獲れたすべての魚にすべての処置をしていたら、おそらく干物がわたしたち消費者の口に入ることはないでしょうし、スーパーでお刺身が買えなくなるでしょう。
鮮魚の流通はちょっと特殊で、複雑ですが、それもまた別の機会に。。
今後も、いろいろなお魚についての話を記事にしていくので、ぜひお楽しみに!
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