魚の体温と水温 その1

今年も早いもので、あと一月ちょっとで一年が終わりますね。
11月も中旬になると、冬の足音があちこちから聞こえてきます。
木枯らしが吹く寒い夜、小さな赤ちょうちんが灯っている店に掛け込んで、おでんをつまみに熱燗をキューッ…ああ、いいですなぁ。
個人的におでんは大根と玉子と昆布は外せません…ド定番ですが(笑)

そんな寒い時期の海は、北から南下してきたサンマの群れが日本近海に押し寄せてくるのが日本の晩秋の風物詩ですね。
この数年、サンマの非常に来遊量が少なく今年も平年以下の見込みですが、ともあれ水温が下がってきたこの時期には日本近海にやってくるのです。

これまでサンマの回遊についてお話をしましたが、そもそも何故回遊をするのかというと自分たちが過ごしやすい生活圏を求めて動いているからです。
さて“過ごしやすい生活圏”というのは、食事をしたり産卵をしたりと生活するうえで最も過ごしやすい水温帯の海域のことです。
人間も暑い時期は涼しい場所で“避暑”を、寒い時期は暖かい場所で“避寒”をしますが、魚の場合はまた勝手が異なります。

人間をはじめ、哺乳類は“恒温動物”なので気温など周囲の温度に左右されることなく、自らの体温を一定に保つことができますが、魚類や爬虫類などは“変温動物”なので外部の温度や水温によって体温が左右されるのです。
ですので、魚類の場合は生活している水温に応じて体温が変化するので、水温が高ければ体温は上がるし、逆に低ければ体温が下がります。
基本的に体表を通じて熱が移動をしますが、魚類の場合は呼吸樹である“えら”を通じて熱交換をしています。

魚の体内を一巡りした静脈血はえらに戻り、えらの表面の薄い膜を通じて水に接します。
そのとき二酸化炭素を放出して酸素を取り入れ、静脈血は再び体のすみずみまで行き渡ります。
水中では空気中と比べて体積当たりの溶存酸素量が少ないため、魚は大量の水をえらの表面に流さなければならないのです。
しかも水中では空気中より比較できないほど熱の移動が著しいので、血液に酸素を十分に取り入れるまでに、蓄積された代謝熱は奪われて血液が冷えてしまいます。
そのため、冷たい動脈血が体内に広がるので体温が水温近くまで下がってしまうのです。

画像出典元:http://m.yurukyaragurume.net/gourmet/139

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魚の体温と水温 その2

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