遠洋漁業の定義は、自国の排他的経済水域(200海里水域…370,4km)の内外での大型船による漁業をいいます。
公海や外国の200海里水域内を漁場とすることもあります。世界の海域を股にかけて船団を組んで漁業活動をします。
遠洋漁業は一ヶ月から一年半に及ぶ日数を要すため、採算性の高いマグロやカツオを主な漁獲種にすることが多いようです。イカを対象とする船団もあります。
近年では漁場まで船だけ先行させ、漁を行う乗組員は飛行機で現地に向かい、人件費の削減する例もあります。
日本の排他的経済水域の制定には紆余曲折がありましたが、第3次国際連合海洋法会議で国際連合海洋法条約が、1994年に発効されました。日本政府は1996年に国会で批准されました。
この条約によって自国の海岸線から200海里範囲内の水産資源や鉱物資源など、非生物資源の探査と開発権利を得、資源管理や海洋汚染防止の義務を負うことになりました。
海洋国日本では、排他的経済水域の外である公海でも漁業をしています。
公海はいずれかの国の領海や内水、排他的経済水域に含まれない海域です。
公海はいずれの国にも支配されず、全ての国が使用するために解放された海域です。
公海における漁業は公海自由の原則に基づき、伝統的に認められています。しかし漁業技術が進歩し、乱獲による水産資源の枯渇が危惧されるようになりました。
第二次世界大戦後から漁業関連条約が締結され、国際捕鯨取締条約や北太平洋公海漁業条約、公海生物資源保存条約など、各条約が締結されました。
こうした条約で漁期や漁獲方法に加え、漁獲禁止の方法や、漁獲可能量の決定と関係国ごとの漁獲量の割り当て方法まで規定されました。
※マグロのはえ縄漁での仕事を調べました。
遠洋漁業は出向すると1年以上船上での生活になります。年間に250~270回操業します。
年間のマグロの漁獲量は1隻あたり約250~300トンと決められています。
「幹縄」と呼ばれる全長100kmにも及ぶ長いロープに、エサのついた針に「枝縄」を約3000本を固定し、7時間ほどかけて船尾からロープを海中に繰り出します。
その後かかった魚を取り込みながら縄をあげる作業に13時間ほどかかります。合計20時間の作業を毎日繰り返すのです。
マグロは船上で尾を切られ、活け締めにして内臓を取り出します。計量を終えて-60度の冷凍庫に丁寧に保存します。
遠洋漁業はこんなに大変な作業が延々続くのですね。見知らぬ国の港町で、食料や燃料の補給に立ち寄った時、ようやく陸に上がってつかの間の休息が得られるようです。