幻の魚~スマ~


スマって魚をご存じだろうか。味がマグロに似てクロマグロの代用として期待される魚です。成魚は全長1メートル、体重10キログラムにもなるカツオに似た体形をしています。

日本の本州中部以南からハワイやオーストラリア北部、アフリカ東岸に分布しています。
カツオのような大群は作らず、単独または小さな群れで行動するようです。

スマはスズキ目サバ亜目サバ科スマ属に分類され、日本では地方ごとに呼び名が違います。
ワタナベ・・千葉県
スマガツオ・・東京都
キュウテン・・八丈島
ホシガツオ・・高知県
ヤイト・ヤイトガツオ・・西日本各地
ヤイトマス・・和歌山県
ヤイトバラ・・近畿地方
オボソ・・愛媛県
私は魚に関して詳しくはありませんが、聞いたことも無いような呼び名ばかりです。

食性は肉食性で、エサは魚や甲殻類、頭足類を捕食します。身はカツオに似て赤身で刺身や焼魚として食べられます。

スマは漁獲量が少ない魚ですが、クロマグロの近縁種で味もクロマグロに近いため、市場では1㎏あたり1700~2000円の高価な値で取引されるため、幻の高級魚になっています。

本マグロとも呼ばれる人気のクロマグロは、世界的な需要増加により乱獲され資源の危機にさらされています。そのためクロマグロの養殖も始まっていますが、スマの養殖にも期待がかかっているのです。

クロマグロは近畿大学などで養殖の研究が進んでいますが、体長1~2メートルの大きなマグロが高速で泳ぎまわるため、養殖としては扱いづらい魚のようです。

一方スマは一般的には体長が40~50センチメートルとマグロより小型のため、ブリやタイの養殖設備を利用することができるのです。

天然のスマはカツオとマグロの中間的な味で、刺身の食感も評価され、養殖のスマはクロマグロに似た味になると期待が膨らんでいます。

和歌山県の研究チームがスマの人工ふ化から育てた稚魚を、串本町の沖合の海上いけすで育て、体長50センチに成長したスマが水揚げされ、市場に出荷したという記事が出ていました。(2016年1月16日 朝日デジタル)

スマは日本の近海での水揚げはほとんどありません。和歌山では真鯛の養殖施設を転用し、2012年からスマの養殖に取り組んできました。和歌山県ではスマの量産化に取り組み将来は県の特産として全国に販売したいと考えています。

愛媛県も同じくスマの養殖に取り組んでおり、15年5月に人工的に産卵・孵化させ、養殖で育ったスマを秋以降には本格的に販売し、ブランド化を目指しています。

近大のマグロへの期待、和歌山と愛媛のスマへの期待。日本人がこよなく愛するマグロを安定して供給できる日も間近に迫ってきたようですね。

画像出典元:http://sansui1902sbgr.blog.fc2.com/page-4.html

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