さて、今回もコンブのおはなしをぞくぞくと…。
さっき行ったコンビニは早くもおでんがレジ横に展開しており、昆布巻きを二つ買ってきました。
まだ仕込んでから時間があまり経っていなかった様でしたが、深夜のコンビニにありがちな具がグズグズになったおでんは結構味が染み込んで好きなんですよね。
コンブで取ったダシは味が非常によく、日本料理には欠かすことができないものですが、この“旨味”を発見したのは、戦前日本の科学者で東京帝国大学理学部化学科教授の池田菊苗博士で1908年(明治40年)のことでした。
池田博士は昆布出汁を味わっているうちに、甘味、塩味、苦味、酸味という「4つの基本味」以外にもう一つの味があることを発見したのです。
そして同じころに、日本初医学博士の三宅秀氏が「佳味(かみ:良い味のこと)は消化を促進する」という説を唱え、この説に励まされた池田博士は遂に昆布だしの味成分がグルタミン酸というアミノ酸の一種であることを発見したのです。
この味を「旨味(うまみ)」と命名し、さらに池田博士はグルタミン酸を原料としたうま味調味料の製造方法を発明、これが“味の素”のはじまりでした。
コンブは種類が多いものの、成分は概ね似たようなもので、粗タンパク質5%、粗脂肪1.5%、炭水化物50%、無機質20%程度です。
この値を見ると、コンブは炭水化物が多いのでカロリー源になるのかと思いますが、いくら沢山食べてもあまり体にとってのカロリーにはなりません。
それはコンブの炭水化物は人間が利用できない形をしているためなのです。
人間はショ糖や米やイモに含まれているデンプンを分解してカロリーとすることができますが、コンブに含まれる炭水化物はデンプンより更に複雑な形をしており、人間の消化器はこれをほとんど利用しません。
コンブの栄養価は同じ量の米と比べて1/3程度しかないそうです。
戦後、食糧事情が良くなかった頃に御飯にコンブを焚きこんだ“昆布飯”というものがありましたが、胃はふくれるものの栄養的にはほとんど役に立たないもので、栄養の補給にはなりませんでした。
また戦時中には“海宝麺(かいほうめん)”と呼ばれるものがありましたが、これはコンブやアラメで作った代用麺であまり美味しくなかったそうです。
コンブの最大的特徴はヨードが多いことがあげられます。
ヨードが欠乏すると体がむくみ、疲れやすくなりますがこれは甲状腺ホルモンが不足してしまうからなのです。
これらのヨードを補給する役目以外にも、カルシウムが多く含まれているので日常の食事には欠かせない一品です。
画像出典元:https://blogs.yahoo.co.jp/yashs_palm_island/17607894.html