【甘エビ漁体験記】佐渡のエビかご漁に迫る
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どうもこんにちは。じょーじです。

佐渡に移住して半年が経ちましたが、あまりの冬の風の強さにほとんど引きこもり状態になっています。おかげで仕事がはかどって仕方がありません。。

さて、そんなヒッキーな毎日を過ごしていたところ、ひょんなことから甘エビ(佐渡では南蛮エビ、正式名称はホッコクアカエビ)の漁の様子を撮影させてもらえることになりました。

全国的にも珍しい活甘エビ(生きているアマエビ)を取扱っている、株式会社ダイチク佐渡の川口さんにご紹介頂いたんですが、、

 じょーじ:明日何時に港行ったらいいですかね?

 川口さん:1時半に出るそうなので、少し早めに着くようにしてください。

 じょーじ:(心の声・・・1時半きっつ~~~)
      わかりました!ありがとうございます!

 川口さん:お気をつけて。

 じょーじ:(川口さんまじ優しい)

とまぁ当たり前なんですが、深夜集合にちょっとビビりました。

久々の漁船乗船なのと、結構風が吹いていたのでちょっと緊張します。。

甘えびの漁場までは○○時間?鮮度のいい甘エビが獲れるワケ

時刻は深夜12時、じょーじ起床。

眠い目とこすりながらなんとか着替えて、1時間弱かけて船が出る赤泊港まで向かいます。

わたくし今までいろんな島に行きましたが、とにかく佐渡は広い!

島の中で車で1時間近く走るなんて信じられません。

街灯なんて1本もない峠を越えて山を下ると、明るい漁船が見えてきました。

車を降りるとすぐに船長が船内に案内してくれ早速船内に乗り込みます。

 船長:カッパはまだ着なくていいから、とりあえず出るよ。

 じょーじ:わかりました。

乗り込んだのもつかの間、あっという間に岸から離れていきます。

と思ったらみなさん何やら船の小部屋に。。

甘エビ漁船 船内写真
船内の仮眠部屋、ちょうど普通に座ると頭がぶつかるくらいの高さです。

乗組員5人がぞろぞろと消えていきます。

なんとびっくり小部屋の下に仮眠室がありました。

そそくさと毛布をかぶって眠りにつきます。

なるほど漁場までここで仮眠して休むようです。

ちなみにこの仮眠室はエンジンルームの真上、かなりの騒音です。

おそらくよほど眠気がないと普通の人はここでは寝られないでしょう。

(私はしっかり寝れました。)

トントン。

気付いたら眠りこけていた私が起きると皆さんもう甲板に出て準備をしています。

空き時間をはつかの間の休憩です。ランチパック2枚食い。

出船してから約1時間。これを短いと思うか長いと思うかは人それぞれだと思いますが、日が出て明るくなってから驚くこととなります。

深海から引き上げる甘エビ漁とは

漁の様子に入る前に、甘エビのかご漁を簡単に説明します。

まず、約3,000m、電車だと約150両分の長さにもなる縄に、約180個ほどのかごを海の底に沈めていきます。

1回の漁で3~4連のかごを引きあげるそうです。

エビかご漁に使用するかご
漁に使用するかごの大きさです。私の手は一般的な成人男性より大きいです。

甘エビが獲れるのはかご漁だけではなく、底引き網漁や板引き漁でも獲ることができますが、他の魚なども一緒に入っている網をいっぺんに引き上げるため、エビが傷つきやすく、負担がかかりやすいので、生きたまま水揚げするのはなかなか難しいです。

そして、佐渡のエビかご漁では、IQ(Individual Quota)という漁獲制度を日本で初めて導入し、資源保存に取り組んだことで、結果的に漁の回数は減ったものの収益性が向上し、持続可能な漁へと変化しつつある、先進的な漁なんです。

参考記事:たくさん獲るのをやめたら、儲かって休みも増えた。佐渡のエビ漁に見えた希望

ドキドキワクワクの甘エビのかご上げ

船長の操縦で漁場に仕掛けた網を引き揚げる作業に入ります。

今日の漁場は船長いわく、浅い漁場らしく360~370mとのこと。

ちなみに今日の気温は4℃。風を考えると体感温度は0度くらいでしょうか。

ポイントに到着すると、ブイを引き揚げどんどん縄を巻き取っていきます。

しばらくするとかごが上がってきました!

かごに入ってくる甘エビは、大中小の3サイズに分けて、船の上にある水槽に入れられます。

えびの選別
エビをかご出して大きさ別に選別します

かごに入るのは甘エビだけではなく、貝類やほかのエビ(ボタンエビやシマエビ、オニエビ)なども入ってきます。(ボタンエビによだれが出そうになったのは内緒の話)

それ以外にもゲンゲや小ぶりのズワイガニなど深海の生き物が登場します。きっと深海好きのあなたは大興奮間違いなしでしょう。

ちなみに、カニはエビの天敵だそうで、カゴにカニが入ると甘エビはあまり入らないそうです。

カニが入っているのに残念がるってちょっと不思議な光景した。。

小さいカニや深海魚は海にもどします

甘エビ漁での船上ルーティーン

エビかご漁は、かごをあげる→かごを落とす(仕掛ける)の繰り返しです。3連引き上げるのであれば、3連またかごを落とします。

かごを引き上げている間にも連係プレーで、かごをあげる人、かごから出てきたエビを選別する人、縄をほどく人、エサを詰める人、かごをまた縄に括り付ける人に分かれます。

すべての作業が流動的で見ていて気持ちがいいです。

バケツリレーの要領でカゴを落としていく

かごを下ろし終えて次の漁場に向かう途中は、エサを切ったり、たばこを吸ったり、パンやおにぎりを食べたりと短い時間を有効活用しています。

みんなでエサを切っている様子

ちなみにいくらあまり時間がないとはいえ、ランチパックを2枚同時に頬張る人は初めて見ました(笑)

もし自分もやるよって人いたらぜひ教えてください。

1連引き上げ終え、次の漁場に向かう頃、日が昇ってきました。

洋上でのご来光

暗くて全然わかりませんでしたが、ふと見渡すと島がとっても近い!

360mという深さですが、陸がかなり近くに見えます。

予想以上に陸が近いです

このあたりの漁場はかなり急激に深くなっている地形が特徴で、そのため陸からの漁場が近ことが、甘エビを鮮度を保ったまま水揚げできる一つの理由にもなっているようです。

漁を終えて港に帰るまでの間にも、かごに張っている網を修復したり、貝の選別をしたり、船上の掃除をしたりしています。

本当に漁師さんには頭が上がりません。

つかのまの休憩の一服

帰港したのは約10時半、出船からは約9時間でしたが、4連ともなると12時間以上もかかることがあるそうです。

今回のエビかご漁のレポートは以上です!

とっても学ぶことも多く、貴重な体験となりました!

また次回の記事をお楽しみに!

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