高度一万メートルで食べる魚料理は何故ウマイ?機内食あれこれ


海外旅行に出掛けるとき、旅の最初の楽しみが機内食ですね。
腹ペコで搭乗して、離陸後暫くするとギャレー(台所)からいい匂いがしてきます。
気の早い私は、この段階でテーブルをセッティングして配膳される機内食を待ち受けています。

大概は肉料理と魚料理どちらかを選ぶかキャビンアテンダントが聞いてきますね。
私は肉料理をチョイスしますが、同伴している妻は魚料理を注文します。
妻の魚料理はスズキや鯛の白身魚のムニエルで、自分の肉料理より旨そうなのです。
一口分けて貰うと、実際魚の白身に溶け込んだソースの味が旨いのです。
魚料理にすればよかったと思い、帰りの便で魚料理をチョイスしようとするものの、味が行きと比べてイマイチだったり、そもそも魚料理の設定がなかったりと…。

今回は機内食で出てくる魚料理について綴りたいと思います。

日本発の飛行機が搭載する機内食は空港近くのケータリングセンターで調理されます。
航空会社の系列会社が運営しており、自社便以外にアライアンスパートナーの航空会社の機内食も提供します。その数一日数千食以上!凄いですね。
食中毒や異物混入など徹底した防疫体制が敷かれており、かつ品質が高い食事を提供するため食材の味が最大に引き出せる調理方法のノウハウやメニュー開発を常に行っています。

また、機内では限られたスペースで機内食のセッティングをするので、ケータリングセンターで造られた食事は直ちに冷蔵庫に保管します。
冷蔵する理由としては食材の中に菌が繁殖しやすい30℃前後の温度帯を即座に通過させて3℃位に保つことで食中毒の防止になり、食事の品質も保たれます。
出発時間が近づいたら、乗員・旅客の数の機内食をカートに載せてトラックで飛行機へ運び、機内のギャレーに収容します。
お客に食事を出すときはカートごと温めて調理します。

さて、機内食の魚料理はムニエルやソテーのソース煮など味付けが濃いものが多いです。
高度一万メートルで巡航中の旅客機の機内は、高度二千メートル位の気圧に与圧されています。
気圧が低い状態は味覚が鈍り、酸味や苦みが強く感じてしまう傾向にあります。
そのため魚料理であればクセのない素直な味わいの白身魚、マダイやスズキなどにトマトソースやあんかけなど濃い味付けが施されます。
また、揺れにある程度耐えられるように、ソース類は硬めなものが選ばれます。
エコノミークラスではワンプレートに収まる様に配膳されていますが、上級クラスの場合はどんなものでしょう…わくわく。

羽田空港からロンドン・ヒースロー行きのANAファーストクラスの場合、和食・洋食のコースメニューで食事が提供されます。

アミューズで「海老のソテー・レモンとハーブの香り」、和食コースの場合は先附で「烏賊いくら和え」、前菜で「貝柱松風」、「海老」、「スモークサーモン」、「カズノコ」です。
そしてお造りは「身巻き平目と鮟肝ポン酢添え」、お椀は「蟹真丈」といった感じです。
その他、小腹が空いたときは河豚茶漬け、真烏賊酢漬けなど好きな時に食べられます。
折角だから洋食メニューも見てみましょう。
アミューズの「海老のソテー・レモンとハーブの香り」は和食と一緒ですが、アペタイザーで「スモークカジキのロール仕立て・キャビア添え」、メインディッシュでは「舌平目のムニエルとシーフードのグリル・ロブスター風味のソース・根セロリのビューレ」…メニューを見ただけで垂涎モノですね。

広々としたふかふかのシートに、ワイン片手に豪華で上品な魚料理に舌鼓…ああ、きっと優雅なことでしょう。
エコノミー常連の私には雲の上の話です。
まあ、飛行機は雲の上を飛んでいますけどねぇ。
しかし東京‐ロンドンのファーストクラス単純往復運賃は270万円。
諭吉さんが270人必要ですよ、なんと!車1台分のお値段です。
なので、年末ジャンボの1等が当たったら食事レポします!…いつの日のことやろかいな。

※画像出典元:http://sekkaku.exblog.jp/tags/フランス料理/

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