マアジは古来から重用され、平安時代には神饌や行事食に用いられていたと言われています。江戸時代の『本朝食鑑』では、多くの魚の中でもアジに関してはその味の良さをベタほめしています。
しかし、この時代では鮮度の良いものは手に入らず、タタキのように刺身で食べるのは漁師の特権だったのでしょう。
真鯵には大きく分けて2種類あります。同じ真鯵ですが、味には大きな差があります。
多くの真鯵は水温16~17度の海域を追いかけながら大群で回遊しています。
この鯵は全体に黒っぽくクロアジと呼ばれています。一般的に流通しているのがこのクロアジ。
もう一つは、回遊せず浅瀬に生息している真鯵で、体系がずんぐりしており、体色が黄色(金色)を帯て、黒みが薄い種がいます。
この種は「黄アジ」、「瀬付き(せつき)アジ」、「根付きアジ」などと呼ばれ、希少価値があり、味も脂ののりも段違いに良いとされています。
料亭などで主に消費されています。
黄アジは、もともと回遊性の真鯵が餌が豊かで快適な浅瀬を見つけて怠け癖をつけてしまい、何代もそこに居座ってしまった種です。
餌が豊富で、泳ぎ廻る必要もなく、丸々と太った美味しい魚に育ったと考えられています。
アジの季節ともなれば、「タタキ」を食べないと気のすまない人もいるかと思います。
獲れたての、まだ死後硬直になる前で旨味も出て来てない柔らかいアジの身を、漁師が船の上でネギやショウガと一緒にたたいて作った料理がタタキのルーツです。
なんとか旨味を作り出して食べようとしたもののようです。
アジは赤身魚に分類されるが、白身魚の特徴であるプリプリとした食感も備えた両者の旨みを持つ魚であり、塩焼き、煮付け、干し物や西洋料理など多彩に利用できる素材です。
アジのタタキ・・・・・・・・
三枚に卸した片身を3等分にし、血合いの部分を取り除きます。3等分した身を縦方向に5等分して包丁の背でタタく。もう一方の片身は横に切り、取り除いた血合いも混ぜて粘りが出るまでよくタタく。このタタいた2つ片身と薬味の青ねぎを混ぜると、プリプリ感のあるタタキが出来上がります。
天ぷら・・・・・・・・・・・・・
三枚に卸し、腹骨をすきとって揚げる。中落ちは捨てないで、カラリと二度揚げにして「骨せんべい」にして食べられます。
小アジの丸揚げ・・・・・
エラとワタとゼイゴをはずして、丸ごと天ぷらに揚げます。また、片栗粉をまぶして唐揚げにし、頭から丸ごと全部食べられ、残ったら南蛮漬けにして保存出来ます。
どれも簡単で、美味しいです!是非、試してみてください!