生コンブ(昆布)


海の中にまるで昆布の樹海とでもいえそうな、ウッソウとした昆布の林を見たことがあります。寒流の親潮海域で育った海藻は、北海道の豊かな海の中で、大きな藻場を形成して、多様な生態系を育て上げています。

テレビなどではコンブ漁の様子を紹介されることがありますが、小舟に乗った漁師さんがハコメガネと長い竿を使って、コンブを根元からねじ切る様子が映し出されます。

天然のコンブは北海道が90%以上占めていますが、近年では養殖が盛んに行われるようになり、養殖の割合も年々上昇しているようです。

獲れたコンブは浜で小石を敷き詰めた上に運び、天日で乾燥させます。乾燥時間は半日ほどですが、この間に雨でも降ろうものなら商品価値はなくなってしまいます。

コンブ漁は天気予報とにらめっこで出漁せねばなりません。天日干しが品質を支える命のようです。天日干し以外に乾燥機を使う方法もありますが、品質は落ちてしまいます。

コンブ漁は短期決戦のため、専門の干し方が浜に番屋を張って、寝泊まりしながら対応する地域もあるようです。

~コンブの種類は以下の8種類が有用な種類です~

●真昆布(まこんぶ)
函館沿岸が産地。厚みがあり幅が広い昆布の最高級品です。上品な甘みがあり、清澄な出汁が取れます。主な用途はだし昆布として利用され、佃煮や塩昆布にも加工されます。
●羅臼昆布(らうすこんぶ)
羅臼沿岸が産地。茶褐色で羅臼オニコンブの異名もあり、真昆布と並ぶ最高級品。味は濃厚で、関東地方のだし昆布として好まれています。おやつ昆布や佃煮にも加工されます。
●利尻昆布(りしりこんぶ)
利尻、礼文、稚内沿岸が産地。マコンブに比べるとやや硬いが、透明で風味の良い出しが取れるため、懐石料理などに使われる。主にだし昆布として利用、ほかに塩昆布、湯豆腐の出汁などに使われます。
●日高昆布(ひだかこんぶ)
日高沿岸が産地。三石昆布とも呼ばれ、濃い緑に黒みを帯びている。柔らかくて煮えやすいため、佃煮や昆布巻、おでん、だし昆布に使われます。
●長昆布(ながこんぶ)
釧路、根室沿岸が産地。
6~15mと長く、生産量が最も多い昆布です。5月6月に摂れたコンブを「棹前昆布」と言い、佃煮や昆布巻、おでんなどに利用されます。
●厚葉昆布(あつばこんぶ)
釧路、根室地方沿岸が産地。
長昆布と同じ地域に生育する。葉に厚みがあることからこの名がついた。
昆布巻、佃煮、酢昆布などに加工されます。
●細布昆布<細目昆布(ほそめこんぶ)>
北海道の日本海側沿岸が産地
幅が狭く、1年目に採取されます。切り口は白く、細目の葉型で粘りが強い。
とろろ昆布や納豆昆布、刻み昆布に加工されます。
●ガゴメ昆布(がごめこんぶ)
函館沿岸が産地。表面に籠の網目のような模様があり、粘りが強くとろろ成分が多い昆布です。とろろ昆布やおぼろ昆布、松前づけなどに使われます。

~コンブは健康にも美容にも最高の自然食です~
コンブのカロリーは低く、低脂肪でヘルシーな食品です。健康に欠かせない食物繊維や、カルシウムがたっぷり含まれています。

コンブはアルカリ性で、疲れで酸性になった体に良く、ミネラルやビタミン、鉄分やグルタミン酸、カルシウム、ヨウ素アルギニン酸などが含まれています。

~コンブの美味しい出しの摂り方~
コンブと水の割合は昆布3~4㎝:水1カップ

●水だし
コンブの表面を硬く絞った付近で軽く拭きます。
鍋に昆布と水を入れ5~6時間ほどたったら、コンブを取り出します。
●湯だし
コンブの表面を濡れ布巾で軽く拭きます。
鍋に昆布と水を入れ1時間ほどおいて中火にかけます。灰汁を取りながら沸騰する直前で昆布を取り出し火を止めます。
●1番だし
お吸い物や茶わん蒸し、なべ物などの出汁
コンブの表面を硬く絞った濡れ布巾で軽く拭きます。
鍋に昆布と水を入れ30分ほどたってから中火にかけ、灰汁を取りながら沸騰する前に昆布を引き揚げます。次に削った鰹節を入れ再び沸騰したら火を止め、鰹節がしずむまで待って、布で静かに濾します。
●2番だし
麺つゆや味噌汁、煮物の出汁に使います。
鍋に1番出汁で使った昆布と鰹節に水を入れ、弱火にかけます。沸騰したら昆布を取りだしカツオを入れます(追いがつお)。再び沸騰したら火を止め鰹節が沈むのを待って、布で静かに濾します。
※出汁で使った昆布は栄養分が残っています。佃煮や煮昆布などでおいしくいただくことができます。最後まで食べきることができる食品です。
画像出典元:http://muutyan0330.blog67.fc2.com/

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