シラウオとワカサギ その2

前回は徳川時代ではシラウオは非常に高貴な魚として扱われており、徳川時代の間ずっと毎年将軍に献上されていたことを綴りました。
なお、軍に献上するシラウオを獲る舟には御用幟(ごようのぼり)を立てて、漁師たちは背中に“佃”と染め抜いた赤い半襦袢を着て、藁の帯を締めた勇ましい出で立ちであったといい、佃島や隅田川のシラウオ漁は錦絵の題材にも盛んに使われていました。
しかし現在では佃島も隅田川も水が汚くなり、シラウオは生息していません。

さてシラウオと同様にワカサギも可憐な魚で、「湖上ワカサギ釣り」は冬の名物史です。
ただ、動物学的にはワカサギはキュウウリウオという種の魚で、アユやサケの類に近い種類です。
ワカサギは湖水など淡水域に生息することが広く有名になっていますが、実は元々この魚は海に住んでいる魚で、ベーリング海の岸寄りや北海道周辺など冷たい水温域で生活を送っています。
そして春になるとシラウオ同様、河口や川へやって来て卵を産むのです。

ワカサギの生息する場所として有名なのが山中湖や河口湖など富士五湖、群馬県の榛名湖、長野県の諏訪湖、野尻湖、茨城県の霞ケ浦などですが、全く海に関わり合いがない湖ということに驚きます。
ワカサギはマス類と同様に、陸封性の生活を送る個体というものがあるのです。
この“陸封”とは海に住んでいた親魚が川を遡上して卵を産み、その卵から孵った子魚が川を下って海に向かいますが、火山爆発や山崩れなど何らかの自然要因で川がせき止められて海との経路が寸断されたとき、出口をなくした魚たちは川にとどまってそのまま成長を続け、更には子孫を残す繁殖活動を行うのです。

一般的にサケなどは卵を産みに川を登っても産卵後は全て死んでしまい、子供らも海に下れないと死んでしまいますが、ワカサギとマスは真水でも問題なく暮らせます。
そして人の手によって冷たい湖水にワカサギの卵を移植するとどんどん増えるので、現在では湖水のものが多く獲れるようになったのです。
真冬の凍った湖の上で、鼻っぱしが痛くなるような冷たい風に吹かれながら湖の上の氷に穴を開けてワカサギ釣り、久しくやっていませんが今年は暖かくなる前に出掛けたいところです。
画像出典元:https://wakasagisirauo.cookpad-blog.jp/articles/18991

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