沿岸漁業の振興策 その2

さて前回からの続きです。
魚は暗い場所に集まる傾向があることを綴りました。
そのため築磯となるコンクリートブロックにしても白いままではなく、黒みがかった石を使うと一層効果的とされています。
海底が泥であると長い時間のあとに築磯が埋もれてしまうので、築磯を設置する場所は底が砂や小石で覆われているところを選びます。
また築磯はコンクリートブロック以外にも廃船や廃車になった車両など様々なものが使われています。

「海のアパート」ができることは、その地方の魚介類や海藻の増殖を図るためには大変有効的な手段ですが、その地方に少ないものや殆んどいない魚介類や海藻については放流や移植など人の手による方法が必要になってきます。
移植はその地方にいないものをほかの地方から持ってきて繁殖させます。
マスや、アユ、ワカサギなど湖や川に放流させて繁殖させた結果、その地域に定着した魚種というものがありますね。
ただ、人の手によって魚介類の移植や放流をするときに気をつけなければならないことが多々あります。
まずは、元々その地域に生息している魚介類の生命が脅かされないようにしなければなりません。

有名なものではブラックバス、昭和中期には全国で5県しか生息されていなかったのですが、昭和50年代のルアーフィッシングブームで全国の河川や湖にさかんに放流されてしまい、わずか数年で40府県に生息域が拡大してしまいました。
肉食魚で猛烈な勢いでほかの魚を食べるブラックバス、元々生息していた魚種が追いやられてしまい、最悪、その種の魚の消滅の危険性があるのです。
ブラックバスについては1992年に“内水面漁業調整規制”を改正して、この規制に該当される魚種については移植放流の制限をするという通達を出して、これを受けた地方自治体は放流禁止の条例を制定しました。

また、外敵となるようなものが移植されることを防ぐことも大切です。
過去に日本の牡蠣がアメリカでの養殖のために、さかんに“種ガキ”として輸出されてゆきましたが、殻には牡蠣に穴を開けてを食べてしまう“奥羽ヨウラク貝”という巻貝が付着していたため、輸出先のアメリカでこれが繁殖して大問題になったことがありました。
画像出典元:http://syupo.com/archives/23316

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沿岸漁業の振興策 その1

沿岸漁業の振興策 その3

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