正統ブイヤベースの憲章はご存知?


寒い時期に温かいブイヤベースで魚を味わうのも、これまた幸せな気分になりますね。
ブイヤベースとは南フランスのプロヴァンス地方、地中海沿岸の代表的な海鮮料理で、マルセイユの名物料理です。

ブイヤベースの始まりは遥か昔、漁師が獲って来た魚で形が変な魚や、値が付かない魚を自分たちで消費するため、大鍋に魚をブチ込んで塩汁だけで味付けをしたワイルドな漁師めしだったのです。
そして17世紀の大航海時代、アメリカ大陸やオーストラリア大陸など新大陸の発見により、トマトが伝来するとブイヤベースの食材に取り込まれました。
19世紀に入りマルセイユが観光地になると、多くのレストランが地元名物料理のブイヤベースを全面的に推し、料理方法の技巧や発展を遂げて今日のスタイルに変わってゆきます。

一般的なブイヤベースの調理方法は鍋にオリーブオイルを敷き、ニンニクが焦げ付かない様に炒めて香りを出します。
他にセロリ、タマネギ、フェンネルなどの香味野菜を炒めます。
次に魚のアラを炒めて、水を注いでブーゲガルニ(ローレルやパセリなど香草類を数種類束ねたもの)を入れて1~2時間煮込んで出汁を取ります。
出汁を取ったら魚のアラとブーゲガルニを取り出して、刻んだ野菜とトマトペースト、数種類の魚を入れて煮込みます。
火が通ったらサフラン、塩、コショウで味を調整して、最後にパセリを振って出来上がり!
また、ブイヤベースのお伴にクルトンやバケット、これらに塗るルイユソースがあると、もっと美味しくいただけます。

さて、ブイヤベースの本場マルセイユには「ブイヤベース憲章」たるものがあります。
1.ブイヤベースに入れる魚介類は地中海の岩礁に生息するものを四種類以上入れなければならない。
具体的な魚種は次の通り。カサゴ、白カサゴ、アシナガガニ、ホウボウ、マトウダイ、アンコウ、アナゴ、オコゼの魚介類。
またオプションとしてイセエビ、セミエビを使うことができる。

2.タマネギ、ジャガイモ、トマト、コショウ、サフラン、パセリ、フェンネル、塩、オリーブオイル

3.鯛、ヒラメ、オマールエビ、ムール貝、タコ、イカは入れない。

4.スープは小魚で取る。(出汁を取る魚も決まっています)

上記の4つがマルセイユ市の公式憲章で定まっています。
しかし、あくまでもこれはブイヤベースの始まりが地元の魚の消費という、歴史的背景によるものです。
出汁の魚が決まっている理由は、味が変わらない様にするためです。
しかし実際は、出汁取りや入れる具材はお好みで食べたいものを使えばいいですね。

美味しいお話を綴っていたらお腹が空いてしまいました。
ブイヤベース作ろうかなぁと思っています、ハイ。

 

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