日に日に暖かくなり、いよいよやって来る春の季節に気分が躍っている今日この頃です。
家近所に植えられている桜の木の蕾が膨らみ、そろそろ開花も秒読みです。
歳を重ねるに連れて一年の時間の流れがとても早く、まさに「光陰矢のごとし」という諺が身に沁みて実感できるようになってしまいましたが、それでも生き物の息吹が聞こえる春の到来は嬉しいものです。
さて暖かくなると、海では潮干狩りが楽しめるシーズンになりますね。
首都圏周辺では川崎・東扇島、横浜・八景、横須賀、船橋、木更津、富津など東京湾沿いに沢山の潮干狩りスポットがあるのです。
ファミリーやカップルで仲睦ましく砂の中のアサリを掘り出している姿もあれば、漁師顔負けの装備で片手に潮見表、もう片手に熊手を持って黙々と砂をほじくる者もあり…、様々な人たちが思い思いの姿で潮干狩りを楽しんでいます。
東京湾で獲れる貝はアサリをはじめ、青柳、ハマグリ、シオフキ、ツメタガイ、サルボウ、カガミガイなど多種多様です。
獲れた貝を炊き込みご飯やみそ汁など、様々な料理で楽しむのも潮干狩りの一興ですね。
さあ、これから本題。
潮干狩りで獲った貝を食べたらお腹を下した、食中毒の症状が出たということを時折耳にするときがあるかと思います。
時期によっては貝に毒が含まれることがあるのですが、潮干狩りで獲れる貝そのものには毒性分はありません。
この毒の正体、実はプランクトンなのです。
貝は水中の植物性プランクトンを食べて生活していますが、暖かくなると渦鞭毛藻(うすべんもうそう)やアレキサンドリウム・カネテラという有毒プランクトンが海中に発生します。
それらの有毒プランクトンを体内に取り入れた貝の肝(中腸線)や筋肉などに、毒が蓄積されてゆくのです。
この毒は「麻痺性貝毒」というもので、成分はフグ毒と同じ成分のテトロドトキシン、サキシトキシンという強力ものなで、熱を通しても毒は滅ばないという厄介なものなのです。
食後30分で口の周り、時間と共に全身が痺れ出し、重症の場合は麻痺状態になり呼吸困難など生命の危機に及びます。
潮干狩りの貝以外にも、夏場の養殖ホタテなどに発生する場合があります。
この貝毒、プランクトンで毒化された貝を無毒化された環境に置くと、体内から毒が排出されて無毒化になるのです。
潮干狩り場を管理する自治体や漁協は貝の成分検査を行っており、貝毒の出現が認められた場合は潮干狩り中止を含めた警告や情報が公表されます。
潮干狩りに行く際には、こういった情報にも要注意です!
画像出典元:http://sakanaya-no-hitorigoto.at.webry.info/201204/article_3.html