真冬の北海道、オホーツク沿岸の北見の漁港から「ボウズギンポ」という名前の魚が連日揚がっています。
初めてこの名前を目にしたとき、どんな魚か皆目見当が付きませんでした。
私のパソコンも同じく、ボウズギンポと入力したら「坊主金浦」となりました。
お坊さんがソウル・金浦空港にいる様相を想像しましたが、この魚とは全く関係がありませんね。
余談ですが金浦国際空港はもともと「KIMPO」という読みだったのが、2002年の日韓ワールドカップの開催時に突然「GIMPO」に変わりました。
韓国語のローマ字表記が変わったことを受けて、発音が統一されたようです。
話を元に戻して…、このボウズギンポはゲンゲという種類の魚です。
日本海及び宮城より北の太平洋、ベーリングからアラスカの水深200~1,200メートルの深い水域に生息しています。
体長30センチ前後、細長い紡錘型で、体表のぬめりがある魚です。
昔は「下魚」と言われて、ぬめりが一緒に釣れたエビの鮮度に影響をきたすなどとして、好かれてはいない魚でした。
最近ではこのぬめりがコラーゲンたっぷりであることが判明して、美容のサプリメントとして一躍人気者になりました。
さてボウズギンポはゲンゲより一回り大きい1メートル程度の大きさで、黒くゴツゴツとした鱗が柔らかい、平たくずんぐりとした寸胴形の魚です。
生息する水域はゲンゲとほぼ同じ北部太平洋からベーリング方面ですが水深200メートル前後の比較的浅い場所、水揚げは北海道の北部からが多いです。
成魚になるまではクラゲを食べて育ちますが、成魚以降は何を食べているのか解明されていない不思議な魚です。
ごつい外見のボウズギンポですが、見かけとは裏腹に身はとても綺麗な白身で、マシュマロの様に柔らかいです。
寒い海域に生息しているだけあって、脂の乗りはとてもいいです。
熱を通すと更にふんわりと柔らかくなります。
フライにすると衣はサクサク、中はフワフワという心地よい食感と芳醇な味わいが楽しめます。
また塩胡椒して小麦粉を付けてソテーをしても中はふわっと、表が香ばしくなります。
西京焼きにすると、銀ダラにも負けない旨さです!
ボウズギンポは少し前までは余り食用にされておらず、水揚げされても市場に流通されることはありませんでした。
しかし身が旨い事が知れ渡ると、比較的高値で流通される様になりました。
特に延縄で釣れて沖締めされた魚は刺身にすると非常に旨いので、かなり高値で取引されています。
現在も北海道以外では余り流通がないので馴染みがない魚ですが、弊社「SAKAMA SHOP」では北見や函館に揚がったボウズギンポを販売しております。
冬の旨い魚、どうぞご利用くださいませ^^
画像出典元:http://blog.livedoor.jp/k1500/archives/52129365.html
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