かつおのおはなし その5

かつおのお話も5話目に突入してしまいましたが、まだまだ“かつおぶし”のお話も続きます。
何卒ご容赦のほどを…。
前回はかつおぶしの製作過程について綴りました。
釜立てしたなまり節を培乾・あん蒸を繰り返して節内の水分を飛ばし、形を整えたものが“裸本節”いわゆる薩摩節の完成というところまでですね。

さて、土佐節と呼ばれる“本枯節”が出来るまでにはこれから大きな過程が待っています。
削り作業が終わった裸節はこれから2日~数日間にかけて天日で干して、更に水分を抜いてゆくのです。
この作業を“日乾(にっかん)”といいます。

天日で干した裸節は暗く湿った部屋に並べられますが、このとき培養した青カビ(カツオブシカビ)を噴霧して節の表面にカビ付けをします。
最初に節に付いたカビを“一番カビ”といい、このカビを落として再び天日で干すのです。
この“カビ付け”と“日乾”作業を数回繰り返しているうちに、カビが節内の水分を吸収してゆきます。
最終的には節の水分は20%以下になり、ここまで乾燥するともう節にはカビが付着することがありません。
カビ付けの行程を通ったかつおぶしが“本枯節”と言われるのはこのためです。
釜立てするまえに5キロあったとするならば、本枯節になったときには1キロ弱まで重さが減っているのです。
かつおぶしの製造期間はとても長く、カビ付けをしない裸節の薩摩節が一週間としたら、荒節で一カ月、枯節で数カ月も掛かるのです。
そして更に1年以上ゆっくりと熟成させるものもありますが、こちらは非常に高価で滅多に一般市場には流通せず、主に料亭などに卸されています。

すっかり堅くなった本枯節の断面はルビーのように美しい赤い色合いをしており、旨味成分がぎっしり詰まっています。
そもそもかつおぶしはカツオの体を丸ごと干したものなので、様々な旨味やカルシウムや鉄分、ビタミンなど豊富な栄養素が含まれているのです。
その中での主成分はアミノ酸の一種であるイノシン酸のヒスチジン塩です。
ヒスチジンはかつおだしとしての“旨味”以外にも、ダイエットに効果的なのです。
ヒスチジンは体内に摂取するとヒスタミンに変わり、満腹虫垂を刺激して満腹感を与える効果があるのです。

画像出典元:http://kazumiudon.blog102.fc2.com/blog-entry-119.html

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かつおのおはなし その4

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