さかなの旬 シラウオとワカサギ その2 前回は徳川時代ではシラウオは非常に高貴な魚として扱われており、徳川時代の間ずっと毎年将軍に献上されていたことを綴りました。 なお、軍に献上するシラウオを獲る舟には御用幟(ごようのぼり)を立てて、漁師たちは背中に“佃”と染め抜いた赤い半襦袢を着て、藁の帯を締めた勇ましい出で立ちであったといい、佃島や隅田川のシラウオ漁は錦... サカマ
さかなの旬 シラウオとワカサギ その1 まだまだ今が極寒の真冬と思っていても、セリやウドなど春の七草が八百屋の店頭に並び一足早い春の訪れを感じます。 そして早春の気配を告げる魚として“シラウオ”がありますが、これによく似た魚で2,3月が旬の“ワカサギ”もあります。 今回はシラウオとワカサギについてお話をしてゆきたいと思います。 夏目漱石の句に「ふるい寄せて白... サカマ
さかなの旬 正月と種苗生産者の願い 正月の空を見上げていると、十数年前に勤めていた種苗生産機関のことを思い出します。 そこではマダイ、ヒラメをはじめトコブシなど種苗を生育しており、ある程度の大きさまで成長させると県内の沿岸に放流して県内の漁業資源維持に貢献していました。 我が職場は屋外水槽にトコブシと、採卵に供するマダイの親魚を飼育、そして魚類の種苗生産... サカマ
全国の漁港紹介 黒潮大蛇行とニッポン その5 前回では黒潮大蛇行による海流の変化で神奈川から静岡、愛知にかけての沿岸部ではシラスとなる“カタクチイワシ”の仔魚が不漁になることをお話ししました。 昨年確認された黒潮大蛇行は2004年(平成16年)以来の非常に大きな蛇行で、この状態が長期化すると様々な魚種の生息に影響が出てくることは必至です。 東京都島しょ農林水産総合... サカマ
全国の漁港紹介 黒潮大蛇行とニッポン その4 黒潮大蛇行によって日本の沿岸部、特に東海、関東地方では大きな影響があることを前回お話ししました。 大蛇行の周辺の沿岸部では海面が上昇するので高潮時では浸水の危険性、また冷たい海底の海水が掻き回され海面に向かい“冷水塊”が発生することにより局地的に大気が冷やされてしまい例年以上に冬が寒いこと、そして南岸低気圧が通常時より... サカマ
全国の漁港紹介 黒潮大蛇行とニッポン その3 さて戦前には判明していた“黒潮大蛇行”ですが、この事象が発生することによって我々の生活に於いて大きな影響があるのです。 地球は自転の影響により、大気と海洋が渦巻くことがあります。 最も馴染み深い例では“低気圧”ですが、これは大気の渦によって出来上がります。 さて海洋の渦巻きといえば“鳴門の渦潮”が有名ですが、今回のテー... サカマ
全国の漁港紹介 黒潮大蛇行とニッポン その2 昨年9月に発生した黒潮の蛇行は、近年まれに見るほどの大きな“振れ”があることを前回おはなししました。 黒潮が大蛇行することの詳細が判明したのは1975年(昭和50年)のことで、この蛇行とは一時的な海流の異常ではなく、蛇行した流れが長期に渡り安定していることが判明しています。 ちなみにその昭和50年当時の黒潮大蛇行のとき... サカマ
全国の漁港紹介 黒潮大蛇行とニッポン その1 2017年9月、近年まれにみる“黒潮大蛇行”が発生しました。 陸上で日常生活を送っている中で黒潮大蛇行といわれても、何だかピンとこないですよね。 黒潮が蛇行するとどんな事象が発生して、我々の生活にどんな影響があるのでしょうか。 さて、そもそも「黒潮」とは何ぞや。 黒潮は暖かい水温の水の流れ、つまり暖流のことですが起源は... サカマ
さかなの旬 蒲鉾のおはなし その3 前回ではかまぼこを作るために、使える魚は限定されるところまでおはなししました。 さて、蒲鉾を作るために使われる魚はどんなものがあるのでしょうか。 蒲鉾を作るために適した魚はタラ類、サメ肉、イトヨリ、ベラなどの白身肉となります。 なかでもオキギス、グチ、エソ、ムツ、ハモ、ヒラメなどの肉は高級品の製造に使われているのです。... サカマ
さかなの旬 蒲鉾のおはなし その2 さて前回は蒲鉾の歴史についてお話ししました。 昔の蒲鉾は竹の枝に魚のすり身を擦りつけて焼き上げたもので、今の竹輪のような形状をしていたのでした。 そして現在のような板付状の蒲鉾が作られるようになったのは室町時代になってからといわれています。 1752年(宝暦2年)に記された「摂戦実録大全巻一」によると、豊臣秀吉の三男で... サカマ