仮眠室に仕事開始のベルが鳴ると、一斉に漁師たちが起きだします。 船底の仮眠室から這い出て甲板に上がると、灯船が集魚灯を海中に照らしています。 とっぷり夜の闇に染まった黒い海を、眩い光で照らされたエメラルド色の海面はとても幻想的で美しいものでした。 さてヘルメットを被り、合羽を羽織って作業開始です。 海面を照らしていない...
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前回で旋網漁船についてご説明しましたが、私は網船に乗っていました。 鹿児島県の東シナ海沿岸が漁場で、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、カツオ、マグロなど多獲性浮魚を中心に漁獲をしていました。 浮魚とは海面近くの表層から中層に生息する魚で、ヒラメなど海底に生息する魚を底魚と呼びます。 旋網船団で中心的存在の網船には10名...
のっけから、二十年以上昔の映画のタイトルみたいになってしまいましたが…。 原田知世さんが主演されるような爽やかなお話ではありませんので、悪しからず。 私は以前、南九州にて漁船に乗っていたことがあります。 本格的な漁師ではなく研修生で数か月の間でしたが、乗船中は一般社会では経験できない様々な出来事があり、漁師たちの魚に対...
さて、今回は日本最東端の漁港のお話です。 この漁港は東京都にあるのですが、築地や江戸川などではありません。 首都圏から東南984kmに位置する小笠原村です。 小笠原村は30の諸島で構成する小笠原諸島の管轄市町村です。 住民が居住しているのは諸島の中で父島と母島のみで、人口は2,871人(2015年5月現在)、気候区分は...
さて、今回は日本最西端の漁港のご紹介です。 前回ご紹介した日本最南端漁港がある波照間島から100キロ弱西に進むと、日本最西端の地・与那国島に辿ります。 人口1,700人、海岸線長が27.5kmの小さな島で、民間人が自由に出入りできる日本領土の最西端です。 気候は日本では珍しい熱帯雨林気候区分で、真冬でも20℃以上の温暖...
漁港何でもランキング(その2)…日本最南端の漁港・沖縄波照間港 前回ご案内した宗谷岬大岬漁港から南下すること約3,000km。 こうして見ると日本は結構大きいですね。 沖縄県八重山郡波照間町、波照間島が日本最南端の領土です。 人口542人(平成9年)の小さな島です。 周辺は八重山諸島が存在し、有人島は10島、その周辺に...
北海道道北、稚内市。 日本海とオホーツク海に挟まれた日本最北端の岬、宗谷岬があります。 岬の北端には「日本最北の地」の碑があります。 真冬の平均気温は-2.7℃と厳しい寒さですが、真夏の平均気温は22.3℃と大変過ごしやすい季節です。 北海道道北で冬の風物詩といえば網走の流氷ですが、この宗谷岬でも流氷を楽しむことができ...
ハタハタの漁期は秋田では産卵期の11月から12月、秋田に次いでハタハタの消費が多い鳥取では9月から5月となっています。 同じ魚種でも何故漁期が異なるのか?それには明確な理由があるのです。 秋田では定置網や刺し網で産卵のため浅瀬に上がってきたハタハタを漁獲します。 卵を持った魚が沢山獲れるのが特徴です。 一方、鳥取は日本...
秋田名物の魚といえば「ハタハタ」ですね。 ハタハタとは雷の轟く音「ゴロゴロ」に由来しています。 豊漁のときは雷が轟き、荒れた海に因み、カミナリウオという呼び名があります。 秋田ではハタハタが県魚に指定されており、日常の食事や正月になれ寿司を食べるなど生活風習や郷土料理には欠かせない存在です 主に北西太平洋、日本海沿岸、...
放流前日に種苗は野菜ネットに種苗を小分けして、野菜バスケットの中に入れて水槽に安置します。※1 小分けする理由は運搬の効率化以外に、種苗受け入れ先は放流場所を数か所に分けて行うからです。 翌日の早朝に受け入れ先がチャーターした漁船が到着するので、海水が張っている魚槽に種苗を小分けした野菜かごを入れ込んで出荷します。 ...