さかなの知識 アワビ・トコブシ栽培漁業…放流に向けた種苗生産 (その6) 桜が咲く頃、すくすくと育ってきたトコブシの稚貝は食欲が旺盛で、配合飼料を残さず食べます。 この頃になると、かなり大きさに個体差が出てきます。 同じ時期の採卵の種苗でも、最少6ミリ、最大23ミリとかなり大きさにばらつきがあるのです。 なるべくなら放流時までに大きさの個体差を解消して、小さい個体は早く成長させたいところです... サカマ
さかなの知識 アワビ・トコブシ栽培漁業…初期飼育から中間飼育 (その5) 前回は幼生のふ化から摂餌開始までのお話でした。 稚貝が波板に付着している珪藻を食べる量は、成長するにつれて比例します。 飼育中は常に海水をかけ流しているので波板に珪藻が付きますが、次第に稚貝の摂餌量に追い付かなくなってきます。 少し気を抜いた瞬間に、波板に付着していた珪藻が全てなくなり、つんつるてんという事態が発生する... サカマ
さかなの知識 アワビ・トコブシの栽培漁業…さあ、採卵です! (その4) 9月になるといよいよトコブシの採卵を開始します。 トコブシの初期飼育で最も適した水温は25℃以上30℃未満であり、この水温帯は9月だからです。 卵巣・精巣がしっかり膨らんだ親貝を採卵で使用します。※1 オス、メスと別々の水槽に入れて遮光をして、紫外線で照射された海水をかけ流します。 紫外線照射海水がアワビ・トコブシの採... サカマ
さかなの旬 鮭(サケ)と鱒(マス)その2 サケとマスは明確な区分はないとされています。その違いを調べるにも、信ぴょう性のある学術資料がありません。 しかし鮭と鱒と呼ばれる魚は現にあるわけで、その種類だけでも調べてみたいと思います。 <鮭の種類> ・白鮭・・・一般的なシャケと呼ばれ、日本で最も多く獲れる鮭です。秋に出回るため秋鮭、秋味とも呼ばれています。 サケ科... サカマ
さかなの知識 アワビ・トコブシの栽培漁業…色んな道具が必要です (その3) 前回では採卵で使用する親貝の買い付けをして漁船などで運搬する話でした。 ところで日本全国の水産試験場や栽培漁業センターは必ず海岸沿いにあります。 最大の理由は、飼育で利用する海水を常に供給できるからです。 施設によっては事業場の沖合に生け簀を作り、そこで飼育をしているケースもあります。 沖合に取水口を設け、取り込まれた... サカマ
連載記事 アワビ・トコブシの栽培漁業…概要 (その1) 日本では水産業をはじめ、産業において重要なアワビ種を5つ定めています。 エゾ・クロ・メガイ・マダカアワビ、トコブシです。 昭和30年代、水産資源と人の関わりは「とる漁業」から「つくる漁業」へ方向転換します。 有限な水産資源を枯渇させないためにも、保護をして維持をする動きが強まりました。 その中で人工採卵をして、種苗を育... サカマ
さかなと地球環境 マグロの資源保護を第一に…マグロあれこれ(その3) 1980年代以降、我が国のマグロ漁を取り巻く厳しい環境について前項で綴りました。 近年では、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウクロマグロに対してワシントン条約を発効して完全に禁漁化という声が欧米方面から挙がっているほどです。 マグロが食べられなくなる日が来るとセンセーショナルな報道がある位、日本人のマグロに対する関... サカマ
連載記事 マグロ大国・ニッポンの光と影…マグロあれこれ(その2) 1960年代以降、日本のマグロ船は競う様に遠洋漁業に乗り出します。 遠洋漁業についてはコチラをご参照ください。 遠洋マグロ船基幹基地の三崎、焼津、大間、気仙沼、土佐、串木野の港は連日マグロ船の出入りで、大変な活気に溢れていました。 この頃、インド洋で南方付近にミナミマグロの産卵域が発見されました。 産卵域のマグロの群れ... サカマ
連載記事 大衆魚からあこがれの高級魚へ…マグロあれこれ(その1) 魚で最高級とされるクロマグロ。 脂が乗った、溶けるようなトロはとっても美味しいですね。 まさに至福、極楽の瞬間。 今、これを書いただけで非常に食べたくなりました。 吉野昇雄氏の「鮓・鮨・すし―すしの辞典」によると、トロという名は口の中に入れるとトロっとすることで命名されたそうです。 トロはマグロの背中および腹の部位の肉... サカマ