さかなの旬 アンコウ雑談 その1 冬に食べたい美味しい食事の一つに“アンコウ鍋”は外せませんね。 「西日本のフグ料理、東日本のアンコウ料理」といわれており、東日本では古くからメジャーな冬の鍋料理の座に君臨しています。 アンコウを食されるようになったのは元禄時代からのことであり、1697年(平禄10年)人見必大によって刊行された「本朝食鑑」ではアンコウを... サカマ
さかなの旬 シラウオとワカサギ その2 前回は徳川時代ではシラウオは非常に高貴な魚として扱われており、徳川時代の間ずっと毎年将軍に献上されていたことを綴りました。 なお、軍に献上するシラウオを獲る舟には御用幟(ごようのぼり)を立てて、漁師たちは背中に“佃”と染め抜いた赤い半襦袢を着て、藁の帯を締めた勇ましい出で立ちであったといい、佃島や隅田川のシラウオ漁は錦... サカマ
さかなの旬 シラウオとワカサギ その1 まだまだ今が極寒の真冬と思っていても、セリやウドなど春の七草が八百屋の店頭に並び一足早い春の訪れを感じます。 そして早春の気配を告げる魚として“シラウオ”がありますが、これによく似た魚で2,3月が旬の“ワカサギ”もあります。 今回はシラウオとワカサギについてお話をしてゆきたいと思います。 夏目漱石の句に「ふるい寄せて白... サカマ
さかなの旬 正月と種苗生産者の願い 正月の空を見上げていると、十数年前に勤めていた種苗生産機関のことを思い出します。 そこではマダイ、ヒラメをはじめトコブシなど種苗を生育しており、ある程度の大きさまで成長させると県内の沿岸に放流して県内の漁業資源維持に貢献していました。 我が職場は屋外水槽にトコブシと、採卵に供するマダイの親魚を飼育、そして魚類の種苗生産... サカマ
さかなの旬 蒲鉾のおはなし その3 前回ではかまぼこを作るために、使える魚は限定されるところまでおはなししました。 さて、蒲鉾を作るために使われる魚はどんなものがあるのでしょうか。 蒲鉾を作るために適した魚はタラ類、サメ肉、イトヨリ、ベラなどの白身肉となります。 なかでもオキギス、グチ、エソ、ムツ、ハモ、ヒラメなどの肉は高級品の製造に使われているのです。... サカマ
さかなの旬 蒲鉾のおはなし その2 さて前回は蒲鉾の歴史についてお話ししました。 昔の蒲鉾は竹の枝に魚のすり身を擦りつけて焼き上げたもので、今の竹輪のような形状をしていたのでした。 そして現在のような板付状の蒲鉾が作られるようになったのは室町時代になってからといわれています。 1752年(宝暦2年)に記された「摂戦実録大全巻一」によると、豊臣秀吉の三男で... サカマ
さかなの旬 蒲鉾のおはなし その1 おせち料理で欠かせないもののひとつに“蒲鉾”がありますね。 重箱の中にある紅白の蒲鉾はお正月の目出度さを引き立たせますが、これは蒲鉾の形を「日の出」に見立てて縁起がいいことから祝膳に使われているのです。 白色は「清らかな心」、紅色は「邪気を払う」ことを意味しています。 このような目出度い行事に蒲鉾が使われるようになった... サカマ
さかなの旬 有明湾のアゲマキガイ 有明海沿岸の干潟では佐賀県有明水産振興センターが生産した“アゲマキガイ”の種苗が順調に繁殖しています。 そして佐賀県有明水産振興センターでは海に放流したアゲマキガイの生育状況を調査することを継続しており、調査の結果次第では今後25年ぶりにアゲマキガイの漁が再開されるのかもしれません。 アゲマキガイは九州から中国、朝鮮半... サカマ
さかなの旬 牡蠣の旨味 その3 前回に引き続き、牡蠣のお話が続きます。 牡蠣の身の肉に含まれているグリコーゲンの量を毎月測ってみると、10月頃から目立って増え始め、1月から3月に掛けては生牡蠣では体の6%、干した牡蠣では30%以上にも達することがあります。 このように牡蠣の体内に多量のグリコーゲンが蓄積される現象は、他の貝類や生物には見られることがあ... サカマ
さかなの旬 牡蠣の旨味 その2 さて今回は牡蠣のお話が続きます。 ところで俗に「Rの字が付かない月には牡蠣を食べるな」という言葉がありますね。 5月のMay、6月のJune、7月のJuly、8月のAugust…夏場の暑い時期に“マガキ”を食べるとあたることもあるし、そして美味しくないと言われていました。 昔から言われている言葉ですが、ちゃんと科学的な... サカマ